今日は、血管のお話です。
進化の過程で、梯子段のようにあった交感神経、副交感神経が口側(吻側)に伸びて発達していったものが中枢神経です。
古い中枢神経を栄養する動脈が、椎骨動脈(VA; vertebral artery、頚椎の横突起の中を貫いて上がっていきます)です。
合流前に1対、合流して脳底動脈(BA; basilar artery)と名前を変えて、1対、延髄及び小脳の栄養動脈を分岐させた後、脳幹部の腹側から橋、中脳へ栄養動脈を分岐させながら、後に発達してくる内頚動脈(ICA; internal carotid artery)との交通枝(PcomA; posterior communicating artery)を出した後、視床に2対栄養動脈を出して、最終枝である後大脳動脈(PCA; posterior cerebral artery)に終わります。
魚類、両生類、爬虫類と動物が生きていく上では、無くてはならない中枢を栄養する動脈が椎骨動脈系です。
大脳半球と脳幹部(延髄・橋・中脳)をつないでいるのが、間脳です。
間脳は、視床、視床下部などから成り立ち、
左右の視床に挟まれて松果体(しょうかたい)があり、
視床下部からは下垂体が延びています。
視床は感覚系の神経を中継する所です。
嗅覚以外の神経線維はすべて、視床を通って大脳皮質の各中枢に向かっています。
視床は感覚情報の中継所ですので、快・不快程度であれば認識できますが、
もっと細かな判断は大脳皮質の感覚野で行われます。
視床下部は、自律神経や内分泌の中枢として機能しています。
全身からの感覚情報、自律神経の情報、ホメオスタシス(恒常性)の情報などが集中し、
生体のすべての細胞が最適な環境に置かれるように、
自律神経やホルモンを介してコントロールしています。
また、食欲、性欲、疼痛、口渇(こうかつ)などの中枢もここにあります。
松果体(しょうかたい)は、
内分泌器官の1つで、視覚刺激によって体内時計の役割を果たしています。
サーカディアンリズム(概日リズム)を調節するメラトニンというホルモンを分泌しています。
最後に、視神経の中枢である、大脳半球の後頭葉を栄養する後大脳動脈(PCA)までが進化の過程で、積み上げられた古い中枢神経です。
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2019年05月11日
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