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2019年08月25日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道?H
120歳時代
ー健康寿命を延ばす道?H
老化細胞を狙う
抗老化薬隣そうな薬の候補はすでにいくつもある。
例えばアカルボース(グルコバイ)は糖尿病治療薬は雄マウスの寿命を有意に延ばす。
α-エラストラジオール(女性ホルモン剤)も、ラパマイシンの老化防止効果が発見されたのと
同様の実験で好結果を出している。
より新しくもっと有望とみられる
抗老化薬候補は、
代謝経路に作用するのではなく、
いわゆる「老化細胞」を除去するものだ。
老化細胞は分裂を停止しているものの
死んでないゾンビのような細胞で、
その場に居座り、
サイトカインという低分子タンパク質を
分泌して周囲の細胞を傷つける。
老化細胞の本当の役割は
がんに対する防御機構で、
悪性とみられる近隣の細胞を殺すためにあると
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)は考えている。
老化細胞は分泌したサイトカインが免疫系
を誘導することを通じて創傷治癒にも関与している。
サイトカインの毒性は近隣組織のはるか先まで及び、
老化した体の特徴である
軽度の炎症をもたらす。
皮肉なことに周辺組織のがん化のリスクをむしろ高める。
カークランドらは老化細胞を重要な老化促進因子とみている。
さらに年をとればとるほど体内の老化細胞は増える。
これを取り除いたらどうなるか?
カークランドとメイヨークリニックにいる分子生物学者
ヴァン・デュールセン(Jan van Deursen)らは、
遺伝子組み替えでマウスの老化細胞を排除すると
健康寿命が延びることを示した。
問題は、老化細胞が健康な細胞の間に点在していて
分離が非常に難しく、
殺すのはもっと難しい点だ。
メイヨークリニックとスクリプス研究所など
からなる研究チームは
老化細胞にアポトーシス(細胞の自殺)を誘導して
殺す薬を探した。
そして2015年の論文で3つの物質を報告した。
ダサチニブとナビトクラックスという2つの抗がん剤と
天然に存在するフラボノイドのケルセチンだ。
ケルセチンは抗酸化作用のある色素成分で、
リンゴの皮やケッパーに含まれている
(他の多くの食品にもある)。
研究チームはマウスの片脚に放射線を照射し、
加齢に伴って生じるのに似た筋萎縮を起こさせた。
放射線照射で筋肉に大量の老化細胞も生じ、
がん患者が放射線治療や化学療法を受けた後と
似た状態になった。
これを先に挙げた薬で短期間治療したところ、
マウスの足の機能はぼぼ完全に回復した。
この劇的な効果は、
薬によって老化細胞が他の細胞よりも
多く死んだからだとカークランドは考える。
「1回量を与えただけで運動量がかなり改善し、
その効果が7ヶ月続いた」
「これは実際に老化細胞が除去された証拠だと言える。
老化細胞も一度死んだらそれで終わりだ」。<了>
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
老化細胞を狙う
抗老化薬隣そうな薬の候補はすでにいくつもある。
例えばアカルボース(グルコバイ)は糖尿病治療薬は雄マウスの寿命を有意に延ばす。
α-エラストラジオール(女性ホルモン剤)も、ラパマイシンの老化防止効果が発見されたのと
同様の実験で好結果を出している。
より新しくもっと有望とみられる
抗老化薬候補は、
代謝経路に作用するのではなく、
いわゆる「老化細胞」を除去するものだ。
老化細胞は分裂を停止しているものの
死んでないゾンビのような細胞で、
その場に居座り、
サイトカインという低分子タンパク質を
分泌して周囲の細胞を傷つける。
老化細胞の本当の役割は
がんに対する防御機構で、
悪性とみられる近隣の細胞を殺すためにあると
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)は考えている。
老化細胞は分泌したサイトカインが免疫系
を誘導することを通じて創傷治癒にも関与している。
サイトカインの毒性は近隣組織のはるか先まで及び、
老化した体の特徴である
軽度の炎症をもたらす。
皮肉なことに周辺組織のがん化のリスクをむしろ高める。
カークランドらは老化細胞を重要な老化促進因子とみている。
さらに年をとればとるほど体内の老化細胞は増える。
これを取り除いたらどうなるか?
カークランドとメイヨークリニックにいる分子生物学者
ヴァン・デュールセン(Jan van Deursen)らは、
遺伝子組み替えでマウスの老化細胞を排除すると
健康寿命が延びることを示した。
問題は、老化細胞が健康な細胞の間に点在していて
分離が非常に難しく、
殺すのはもっと難しい点だ。
メイヨークリニックとスクリプス研究所など
からなる研究チームは
老化細胞にアポトーシス(細胞の自殺)を誘導して
殺す薬を探した。
そして2015年の論文で3つの物質を報告した。
ダサチニブとナビトクラックスという2つの抗がん剤と
天然に存在するフラボノイドのケルセチンだ。
ケルセチンは抗酸化作用のある色素成分で、
リンゴの皮やケッパーに含まれている
(他の多くの食品にもある)。
研究チームはマウスの片脚に放射線を照射し、
加齢に伴って生じるのに似た筋萎縮を起こさせた。
放射線照射で筋肉に大量の老化細胞も生じ、
がん患者が放射線治療や化学療法を受けた後と
似た状態になった。
これを先に挙げた薬で短期間治療したところ、
マウスの足の機能はぼぼ完全に回復した。
この劇的な効果は、
薬によって老化細胞が他の細胞よりも
多く死んだからだとカークランドは考える。
「1回量を与えただけで運動量がかなり改善し、
その効果が7ヶ月続いた」
「これは実際に老化細胞が除去された証拠だと言える。
老化細胞も一度死んだらそれで終わりだ」。<了>
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日