今日も、皆さんのご機嫌を伺いにやってきました。
ところで、今、がんと闘ったアイドル丸山夏鈴さんの死が、巷で話題になっておりますよね。
僕は別段、彼女のファンでもないので、彼女のことなどほとんど何も知りません。
けれども、語れることがありそうなので、書いてみようと思います。
僕は、“がんなのに必死に最後までアイドル活動を続けようとした彼女に感動した”、という視点には、あまり興味が持てません。
むしろ、丸山夏鈴さんにとって、がんは諸刃の剣だった、という視点に興味があります。
わかりやすく言うと、 丸山夏鈴さんにとって、がんという存在は、人生を潰すものでもあり、逆に、人生の「武器」にもなった、ということです。
その証拠として、彼女が芸能事務所のオーディションに送る用であろうプロモーションビデオの映像を見ると、撮影場所は、病院内であり、術着的な患者服を着ている彼女の姿が映っています。
結果、丸山夏鈴さんは、今の芸能事務所に入ることが出来た。
つまり、丸山夏鈴さん側の策略はともかく、芸能事務所側は、明らかに「ああ、これは“がんと闘っているアイドル”というパッケージで売れるな」と確信したからこそ、彼女を採用したのではないか、と推察されるわけです。
だって、・・・これは故人に対して鞭打つような言い方ではばかられるのですが、丸山夏鈴さん本人は、お世辞にも「かわいい」とは言えません。
いえ、はっきり言いましょう。
彼女は、ブスです。
ゆえに、 もし、彼女に「がんと闘っているアイドル」というパッケージの付加価値がなければ、彼女はアイドルとして相手にされてなかったとも言えるのです。
もちろん、これは僕故人の憶測です。
真実は、誰も知りえません。
しかし、丸山夏鈴さん側の策略としても「ガンなのに頑張ってアイドルを目指している」ことを多少は「売り」にしていただろうし、また、事務所側もそこが「売り」になるだろう、と思って契約したはずなのです、という推論は、当らずとも遠からずと言えると思うのであります。
だから、所属事務所の社長が集めていた募金を持ち逃げしたところで、どうせ聞いたこともない弱小事務所でしょうから、推して知るべし、でしょうし、何より、そんな弱小事務所でもいいと彼女が選んだわけですから、誰も恨むことは出来ません。
ところで、この丸山夏鈴さんと似たようなケースが、以前にもありました。
それは元人気AV女優の麻美ゆまさんです。
彼女は、2012年の6月に境界悪性腫瘍を患い、その後、子宮と卵巣の全摘出をし、さらに直腸への転移も認められ、抗がん剤の治療を受けていることが、一時期、ニュースになりました。
そのとき、ファンのリアクションはどうだったでしょうか?
今まで、彼女を「性的対象」=「物」として見ていたファンたちは、「ああ、この人は人間なんだ」と気付き、彼女に対して「人間として」同情しはじめました。
お気づきの通り、始めの文章からすっかりテーマが変っていますが、僕はこの「男性の女性への差別意識」というテーマに対しても、かなりの興味を持っています。
ここで、中村うさぎさんの『私という病』(新潮文庫)という著書から、このテーマに関連する名言を紹介してみたいと思います。
『つい最近、私に向かって、「僕は女の人をリスペクトしています。女性という存在に対して、超越者のような荘厳なイメージを持っています」と熱く語った人がいて、私に水のような絶望感をもたらした。「差別ではない、リスペクトじゃないか」と反論する人もいるだろうが、私に言わせれば、これもまた、女を人間として見られない男たちがよく使う「欺瞞」なのだ。己の中の差別意識を正当化しようとして、逆に女を「神格化」するワケよ。人間性を認めない、という点では、露骨な男尊女卑論とまったく変わらん。下のものを上に持って来ただけじゃん。女は、「人間」なのである。あなたの母も妻も娘も、すべての女は「神」でもなければ「獣」でもない、あなたと同じ生身の「人間」なのだ。』
どうでしょうか?
この文章を読んだあと、前述の、アイドル丸山夏鈴さんの人生や、元AV女優麻美ゆまさんのことを思い返すと、考えさせられるアイドルファンやAVファンは多くおられるのではないでしょうか。
さて、最後に、前述の元AV女優の麻美ゆまさんの自叙伝を紹介して、今日のブログを終わりたいと思います。
Re Start ~明日へ~ (初回限定盤B)
・・・ほんと、男っていう生き物は、哀れですね。
そして、一生、男と女は理解しあえない宿命なのでしょうね。
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