(株)ルラックの「インディーズ文庫」担当の宮根進と申します。
以下の記事は、故人・ともなりたかひろの『遺稿』の中の一つ、エッセイ『フリースタイルダンジョン終了も近い?』(2017年3月4日)を、原文ママのまま、抜粋したものです。発表日も彼の『遺稿』の指示通りであります。
ゆえに、この記事が現在の状況とは食い違う面もあるかもしれません。その点をどうか、ご容赦頂きたく思います。
〈あー、もう、しんどいよね、いや、分かるよ、分かる(いや、誰に言ってんのよ)。
もうね、バカヤローッ!!って叫びたいですよ、本当だったら。
特に、1日に、3つぐらい悪い事が起こると、叫びたくなりますよね。
……例えば、amazonの荷物が9:00〜12:00まで、と決まっている。が、なかなか来ない。じれったいから、煙草を吸う。吸い過ぎて、煙草がきれる。そこで、10分間ぐらい、外出して、コンビニに煙草を買いに行く。が、その途中で、突然雨が降ってきて、「やばい、洗濯物が!」と思い、急いで家に戻ってみると、案の定、洗濯物は濡れて、しかも、amazonの宅配とすれ違いになり、荷物が受け取れない、・・・みたいな。
でも、言えないから、モヤモヤしちゃってね、——どうする? ラップでもしちゃうか、いっそのこと。
まぁまぁ、なんでこんな流れになっているか、と言うとね、最近ね、「落丁城」っていう、日本版の『神曲』たらんとする小説を書いているんですが、全然上手くいかず、その片手間の「ガス抜き」として、『フリースタイルダンジョン』という、地上波の「バラエティー番組」にハマってましてね。
ただ、僕は疑問だったんですよね。——なぜ、 「ダンジョン」という「地下構造」を持つ癌組なのに「地上」波でやっているのか、っていうことをね(いや、どうでもいいわ、そんなこと)。
上手い!
「 お〜い、山田く〜ん、北朝鮮の核ミサイルにコンドームつけといて〜」
なんてね。
というわけで、本日は、
『フリースタイルダンジョン』終了も近い? をプロデュース!
ということでね、
まぁ、僕はね、はっきり言って後追い組で、YouTubeなどを通じて番組の存在を知り、現在の3rd.seasonまでざっと見返してきたニワカですよ、ええ。
でもね、2ちゃんねるでのフリースタイルダンジョンスレを見る限り、僕は、この番組の「本質」を見切ってしまいましたね。
曰くね、
「内Pみたい」
っていうことなんだよね。
つまり、この 『フリースタイルダンジョン』っていう番組は、
現在、saymoveっていうサイトでupされている 「内村プロデュース」の動画みたいに、 皆が「コメント」しながらそれも含めて共同で楽しんでいくようなスタンスがピッタリ合うな、と思ったわけです。
よくよく考えると、同じ 「テレ朝」系列ですしね。
そう考えると、色々な「企画」が浮かびますよね。
「内Pにおける大喜利コーナー」= 「現在行われている即興のバトル」だとすると、
例えば、 dotama君が一人で機械に向かってラップしている様を、モンスターたちが水を口に含んでモニター越しに見ていて、笑って吹き出したらアウト、みたいな「ラップ版お笑い我慢道場」とか。
「リアル性格王」(ドッキリ企画)も出来そうだなぁ、とか。
色々考えていくと、 dotama君=ふかわりょうの立ち位置だな、などなど色々な発見があって面白い。
——とにかくね、おそらく、これ以上スキルやバトルのバリエーションが「インフレ」しない、という「番組の限界」が見えてきたと思うんですよ。
だから、もうここはね、番組自体を、がらっと変えてみるのもいいのかな、っていうかね。
その大前提として、 「ニコ生」みたいに「コメント付きで観れるもの」にした方がベターだな、とは確実に思いますね、うん。
あと、また、「内P」に例えさせてもらいますけど、内Pの初期にさ、 「レギュラー3人の親交を深める回」っていうのがあってね、
屋形船で「インスピレーションクイズ」をやって、「それぞれの答えが合致」しないと、
罰として、夏真っ盛りなのに、クーラーも入れてもらえなかったり、熱いビールを持ってこられたり、っていう回がありましてね。
これも、 「レギュラー」を「モンスター」と言い換えて、 「それぞれの答えが合致」を「それぞれの韻が合致」と言い換えれば成立するなぁ、とか思ったりするんすよ。
——なんか、面白いですよね、色々な「企画」があった方が。
そんなこんなした末、番組が行き詰ってしまったら、あっさり終わればいいじゃないですか。内Pみたいに。
で、次の一手として、今のモンスターの人たちだけで、 「内村さまぁ〜ず」みたいなスピンアウト的な小規模な慣れ合い番組を創ってもいいだろうし、ね。
ちなみに。
僕が『フリースタイルダンジョン』にラッパーとして出たとしたら、
「 独り言スタイル」
をやると思いますね。
以前、モンスターの一人である、dotama君が、相手も、客も見ない、後ろを向くスタイルというのをやっているのを見て、斬新だな、と思ったんだけど、お客さんに囲まれているフリースタイルダンジョンという番組の性質上、それも出来ないんだよね。
だから、僕は、
「 対戦相手も見ず、お客さんも見ず、また、敵の後ろも見ず、ただただ、下を向いて、ぶつぶつつぶやく、独り言スタイル」
でいこうかな、なんてね。
——でも、それやってそうなラッパー、一人、いるよね。
ハハノシキュウ君。〉(2017年3月4日付)
故人・ともなりたかひろ氏の遺作『落丁城』(「縦書き文庫」/無料)
→ https://tb.antiscroll.com/novels/jiga619/19865
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image