代理人によれば、グルリット氏は心臓手術を受け、数週間にわたって入院していた。
2012年、検察は脱税事件の捜査の一環として、同氏のミュンヘンのアパートからピカソやマティスの作品を含む1200点を超える絵画を押収。このなかに、ナチス・ドイツが略奪したと疑われる作品が含まれていた。
押収された絵画のうち、略奪品でないことが明らかなものは今年4月、グルリット氏に返還された。略奪品である疑いのあるものについては来歴を調査し、元の持ち主やその子孫に返還されることが決まっている。
グルリット氏は生前、父から相続したコレクションにナチスが略奪した作品が含まれていたとは思いも寄らなかったと述べていた。
ナチスは1930〜40年代にかけて、「退廃的」とみなした美術品を画廊や個人から大量に押収した。また、ユダヤ人家庭から盗まれたり、ユダヤ人が亡命資金として二束三文で売ることを余儀なくされたりした作品も数多い。
グルリット氏の父はユダヤ系だったが、ヒトラーによって認可された「退廃美術」を売りさばく4人の画商の1人として第2次世界大戦を生き延びた。
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