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「特捜最前線」がマイブームになっているオヤジです。リアルタイムの頃は津上刑事より若かったのに、今はおやっさんよりも年長者になりました(苦笑)
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2022年12月29日

私だけの特捜最前線→67「痴漢・女子大生被害レポート!〜西田敏行さん演じる高杉刑事が活躍する数少ないドラマ」

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※このコラムはネタバレがあります。

今回は特捜最前線の初期、 高杉刑事(西田敏行)が在籍していた時のドラマより「痴漢・女子大生被害レポート!」を紹介します。高杉刑事が主役という数少ない作品の一つです。

音大生をめぐる男が次々に殺されて

連続女性暴行事件の捜査をしていた高杉刑事は、暴行犯に襲われていた音大生を助け、男を現行犯逮捕します。音大生は高校時代の友人である男子大学生が待つ公園に向かっていた途中だったのです。

事情聴取の後、待ち合わせから1時間半遅れで高杉と音大生が公園に行ったところ、大学生は何者かに石で殴られて死んでいました。状況から怨恨の可能性があるとして、特命課は捜査に乗り出します。

その結果、音大生を指導するピアノ教師の女性と、密かに音大生と付き合っていた男性助教授が捜査線上に浮上します。ただ、ピアノ教師にはアリバイがあり、助教授への容疑が深まっていったのです。

ところが助教授も、大学生と同じく石で殴られて殺されていました。同一犯の可能性が取りざたされ、音大生が関係する第三者の存在も疑われる中で、神代課長は 「犯行が似すぎている」と疑問を抱きます。

助教授殺しの犯人はピアノ教師でした。教師は、音大生を愛するあまり、音大生の恋人だった助教授に憎しみを抱いていました。そして、大学生殺しを模倣し、同じ手口で助教授を殺害したのです。

大学生殺しの意外な真犯人

大学生殺しに関しては振り出しに戻ってしまいました。音大生は「彼は 真面目でいい人だが、最近自分に言い寄るようになってきたので、自分はその気持ちに応えられないことを言うために待ち合わせた」と話します。

高杉は、音大生を助ける直前、別の女子高生から痴漢に間違われていたことを思い出します。女子高生を探すため、駅で張り込みを続ける高杉。音大生に対し「俺のカンが当たっていないことを祈る」とだけ告げていました。

女子高生を見つけた高杉は、彼女を連れて現場の公園に連れていき、事情を説明するように促します。すると女子高生は泣き出し、公園で大学生に襲われて、無我夢中で石で殴って逃げたのだと白状しました。

「真面目でいい人なのに・・・」と愕然とする音大生。高杉は「彼は欲求不満が高まっていたのだろう。そこに運悪くこの人(女子高生)が通りかかってしまった」と、大学生の心底を代弁したのです。

一連の事件で音大生は、恋人、恩師、友人を一気に失いました。その姿を見ながら「俺のすることは、あなたの夢をぶっ壊しているようだ。 疫病神は俺の方だ」と自戒を込めて語りかける高杉でした。

西田敏行さん主演だからこそ

この作品のストーリーは極めて激辛で、特捜らしい 後味の悪いドラマです。そして、男女関係や性的マイノリティなど、視聴者にいろいろと考えさせられるような内容となっています。

その部分を書いていくと重苦しいコラムになってしまいますので、やめておきます(苦笑) それよりも、このドラマでの心憎い演出について触れてみます。 西田敏行さんが主演だったことにも関係してきます。

ドラマの序盤で、高杉刑事は女子高生から痴漢に間違われ、通りがかった警察官に詰問されます。後々重要なシーンになるわけですが、この後ドラマが一気に展開したことで、すっかり忘れてしまいました。

しかも、高杉と警察官のコミカルなやり取りがあったので、てっきり「事件に関係ない笑わせ場面の一つ」と思い込んでいたのです。他の刑事だったら、おそらく「事件のカギになる場面」と素直に思ったでしょう。

特捜だけではありませんが、西田さんのシリアスとコミカルの使い分けは天下一品です。主演作品はごく限られていますが、どれも印象的なドラマばかりで、さすがは第一線を走り続ける名優だなと唸るばかりです。



2023年も引き続き、特捜最前線のドラマ解説コラムを書いていきたいと思っています。次回は1月12日の予定です。

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