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a.「いまだかつてないほどの、激しく不気味な暑気が激しく長く続き、自然的にも社会的にも不吉な事件が相次いで起こった夏も終わり」やなあ、そろそろ、
b.なに言ってるんすか、
a .埴谷雄高( はにやゆたか )の「死霊」という難しい小説 の冒頭部分なんやけど、うろ覚えで正確に書けない、ああ、手元に置いとくんやった、引っ越しんとき手離さんと、
b.しかし、まさに今年の夏を言い当てたような一節ですね、
a.あまりに難解かつ長大で、オイラは歯が立たず、自転車散歩方面へ進んじまったが、興味ある若者は、ぜひ一度挑戦してみてくれたまえ、
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b.夏休みの読書感想文に、埴谷雄高の「死霊」を選ぶ小学4年生とか居ますかね、
a.居るとしたら100年にひとりの天才少年やな、しかし、ちょっと怖いな、そんな子、家に居たら、
b.ところで、今年のハンパない猛暑と、それにともなうあれこれの災害はそうなんすけど、そろそろ、旅の続きをおねげえしますだ(よろしくお願いします)、
a.あまりの暑さに忘れてた、唐崎神社からつづきを始めよう、
b.神様の松も、台風で倒れた鳥居じゃないけど、だいぶ弱ってますね、
a.松だけに松葉杖をあてがってもらって、ようやく姿勢を保ってる、松も高齢化の時代じゃのう、
「年老いた松神様に松葉杖」、早口コトバみたいな一句やな、
b.しかし、その松葉杖もふくめて何か魅力的ですね、この松は、
a.神様なのに良い意味で軽快な感じがして、そばにいると元気になるんや、
b.リズミカルな感じもしますね、四方八方に枝葉をのばして、
a.雄大な松なんやけど、なんやろな、この明るく軽やかな感じは、
b.きっと毎日びわ湖を眺めてるからじゃないっすか、
a.ああ、きっとそれやな、それで心が明るくなるんや、
「日々びわ湖ながめて明るい松になる」、
b.ほんま、びわ湖いいっすね、
a.立派な松とびわ湖を一緒に愛(メ)でられて(=鑑賞できて)、オマケに何らかの御利益まで付いてくる、という唐崎神社、松神様もかなり高齢なので、今のうちの参拝をお勧めします、
b.というわけで、つぎの一枚は公園のようですが、
a.唐崎神社のすぐとなりにある少し広めの公園、向かいはコンビニやし、休憩に好都合でござる、
b.正式名「県営都市公園湖岸緑地唐崎苑(エン)」、漢字だらけや、
a.土曜は京都の町中で正午まで働いて、そのあと自転車で何度かここまで来たことがあった、
b.帰りは?
a.ここから3駅先、びわ湖に浮かぶ浮御堂(ウキミドウ)で有名な湖西線のJR堅田(カタタ)駅から、
b.広重の浮世絵にも登場しますね、浮御堂(ウキミドウ)、
a.近江八景のひとつ「堅田(カタタ)の落雁(ラクガン=空から舞い降りる雁という鳥)」っていう絵の左にちょこっと見えてる、しかし我々は堅田(カタタ)の前に坂本っていう、これまた味わいある町なみを散歩しやう、
b.「しやう」じゃなく「しよう」じゃないんすか、
a.むかしの「しやう」というつづり方が好きなんで時々こうなっちまうんや、気にしないで欲しい、
b.これは何気ない住宅街のやう(=よう)ですが、なにか不思議と雰囲気ありますね、
a.坂本三丁目、「坂本」っていうくらいやから坂が多い町なんやけど、これもそんな坂のひとつ、
b.細い水路が天井川のように車道の上をびわ湖へ向かって流れてら、
a.何度かこの横を通るうちに、どうしても下の車道じゃ満足できなくなって、わざわざ行き止まりっぽいこの細道に上ってみたんや、
b.上ってみてどうでした?
a.まあ見ての通り、細い天井川が流れるだけで、他にこれという事もないんやけど、なにかとても良い、
b.不思議な魅力があります、たしかに、
a.ふつうとは反対に高いところを川が流れてるんで、それが魅力なんやろか、
b.それもあるし、10m前後の高低差ってことが、けっこう風景写真には効果的なんじゃないすか、
a.ああ、そうか、10m前後っていうと、ちょうど家の屋根を見おろすアングルになるわけか、
b.この高さって住宅街やと効果抜群です、
「家々の屋根を見下ろす坂の町」、
より大きな地図で 唐崎神社〜坂本3丁目 を表示
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