藤田菜七子だけでなくて、他の騎手も思い切りが良い。怖さ知らずなのかもしれないが、騎手という仕事はそうでないと。
ソロリと乗って勝てるほど甘い世界では無い。凄い運動神経を持った奴の集まりだぜ。そんな奴らが死に物狂いで練習しやっとこさプロになり、その後も雨の日も風の日も雷の日も乗り続け腕を磨く。
晴れ舞台のレース当日に消極的になれば、勝ち運は逃げていく。
怖さを感じる年齢という事もあるのかもしれないが、減量が取れた頃から残念な騎手に転落していく者も多い。
以前評価していたので、ちょっと最近気になっている高倉稜騎手。
何せ彼は新人賞を受賞、4年目まではまずまずの成績でフェアプレー賞も獲ったり、将来有望な若手騎手だった筈。フラガラッハとのコンビが代名詞だが、その後、それ以外はパッとしないし、今年はまだ4勝。人気馬に乗る事もほとんどない。
ダービーデーは彼にとってチャンス。有力騎手は東京集結で、京都は手薄。良い馬も回ってきていた。
メインの安土城S。
ハンデ戦の1400Mに51キロのダンツキャンサー。4枠8番の絶好枠で気配も抜群。
単勝50倍超えの14番人気ながら逃げられそうな組み合わせで、思い切った逃げを期待しての単複応援馬券。というより私的には逃げられたら多分勝てる、着を拾う競馬はしないでもらいたいとの願いで。
結果は逃げ馬にお誂え向きのスローペースなのに、競り負けてやむなく控えて、しかし被せる厳しい展開にもならず、味な競馬?で、この馬には珍しい差し脚を発揮し、しかし完敗の2着。
穴党からは、上手く乗ったと賛辞を贈られるかもしれない。
でも勝ったのは2年目松若風馬の一番人気ミッキーラブソング。
差して届かずのこの馬を先行させて新味を引き出し、賞金加算の任務を達成する楽勝。
行く姿勢を見せて先行争いの3番手を取り切ってのものであり、テン乗りのチャンスを思い切った騎乗で見事にモノにした。
ちなみに松若は、高倉以来4年ぶりの新人賞受賞騎手であり、この新旧新人賞の一・二着の明暗は先がはてしなく明るい松若と、まだまだ光の見えないトンネルにいる高倉と余りに対照的に感じられ、勝負の世界の厳しさを感じた瞬間でもあった。
この話題は次回に続く
良い馬は見るからに走りそう!これは見るからにおいしそう!!
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