1.はじめに
平成28年4月1日から仙台市内の国道・県道の路線指定区間が変更になりました。変更になった区間を下図に示します。
概要は以下のとおりです。
- 国道4号(あすと長町〜根岸町区間)を県道仙台名取線に降格(仙台市に移管)
- 国道4号(根岸町〜勾当台公園前交差点)を国道286号に変更(仙台市に移管)
- 国道48号(旧道)を県道仙台村田線に降格(仙台市に移管)
- 国道48号(旧道)のうち勾当台公園前交差点から北四番丁までの区間を県道仙台泉線に降格(仙台市に移管)
- 国道48号(仙台西道路)の起点を勾当台公園前交差点に変更(広瀬通の一部区間が国道48号となった)
よって、名取から仙台市街へ向かう国道4号(重複区間)は全て移管されました。
いろいろ調べてみると、ここまで至るまで国道4号を中心に路線がコロコロ変更されていることが判りました。
2.これまでの流れ
以下にこれまでの流れを図で示します。
(1)変更前の路線指定の状況
国道4号仙台バイパス及び国道48号仙台西道路が供用されてからしばらくの間は、以下の図のような路線指定でした。宮城県に移管された路線は県道仙台泉線のみという状況でした。当時、仙台市泉区は宮城県泉市でしたので、県道指定が出来ました。
なお、国道4号の仙台市街の終点は勾当台公園前交差点ではなく、国道45号と国道4号仙台バイパスの苦竹ICが終点でした。要するに勾当台公園前交差点から苦竹ICまでは国道45号という冠が付いていますが、国道4号との重複区間でした。
(2)あすと長町区画整理事業施行中の路線指定の状況
上記の状況が大きく変化した出来事は、長町の「あすと長町」の区画整理事業です。このあすと長町区画整理事業が動き出した時期ですが、世の中は不況の真っ只中の状態。仙台市単独ではとても財政的に施行するのは困難な状態でした。
そこで、当該区画整理事業区域のど真ん中を貫く「あすと長町大通り線」や「太子堂駅」等々の計画を進めるために、国の財源により事業を進めさせようとした背景があります。
国が事業に口を出すためには、道路等が国の持ち物(国道指定)であることが前提となります。このため、現在の「昭和市電通り」と愛宕大橋〜広瀬河畔通りを交換して、愛宕大橋からあすと長町大通り線、長町から名取市までの南側を国道4号として指定した経緯があります。
さらに、国道286号は長町を起点していたため、国道4号の路線区間に変更に伴い、起点を長町から根岸町交差点へ変更しています。
(3)あすと長町区画整理事業街開き後の路線指定の状況
「あすと長町」の街開き、あすと長町大通り線の供用開始に伴い、名取市から広瀬川河畔通りまでの区間を県道仙台名取線として宮城県や仙台市に移管しました。国道4号が盲腸線となったのはこの時期です。
(4)あすと長町区画整理事業街開き後の路線指定の状況
国が同じ路線名を複数所有することは余り好ましくないようです。国道48号仙台西道路や国道4号の盲腸線は尚更です。ただし、複数路線を持つことは好ましくないだけであり、バイパス、旧道ともに国土交通省の指定区間という路線は沢山あります。最たる例は、埼玉県の国道4号です。国道4号の旧道も4号、旧道のバイパスも4号、バイパスのバイパス(東埼玉道路)も4号という有様です。
国にとっては指定路線が減ると、その分の維持管理費等がかからなくなります。このような台所事情もあって、道路を作った後に、県や市に権限を移管するというケースが昔から行われていました。移管する際はボロボロの状態で移管はしません。最低限のお色直しをしてから、自治体に移管します。昨年度末に旧市立病院(五橋)付近のカラー舗装が新しくなったのは移管のためのお色直しと考えています。
なお、路線指定区間が変更になってから1ヶ月以上経過していますが、今のところ地図を更新しているサイトは皆無です。
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主要県道に組み入れて、県道90号線(仙台南部道路)と結節させるのかどうかです。あとこの地図には出て折りませんが、国道457線の泉区根白石地区も新道と旧道の二重路線があります。ここをどうするのかですね。現在の根白石の新道は嘗ての農道で、道幅も広く国道昇格以前からかなりのドライバーが、この道路を利用していました。その観点から国道に昇格したと言えます。旧道は集落内を通り、しかも道幅も狭い上、果たして国道としての機能を為し得ているのかといった疑問も拭い切れません。仙台近郊だけでなく東北や他の地域も同じ諸事情を抱えているので、何とも言えませんが、これらをどうするのか、今後の道路行政の在り方の見直しの導火線になるのかも知れませんね。