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2016年06月12日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part65 牧と高頭


神奈川 46

秋田  47


神奈川ベンチでは、牧と高頭が見つめあっていた。


幾度も困難な場面を乗り越えた二人だ。高頭は、牧のそろそろ出番ではないですか?という言葉ですべてを悟っていた。

牧の俺に任せてくださいという強い決意を。


高頭「よしっ。花形と牧交代だ。赤木、仙道っ。お前たち二人にインサイドを任せる。


   赤木、河田だけでも大変だが、神奈川ナンバーワンセンターの実力を見せてくれ。


   仙道、野辺は花形をバテさせるほどだが、お前のセンスに期待する。


   そして、藤真よ・・・。」


藤真は交代を覚悟していた。花形が牧と交代とのことなので、アウトサイドを中心に、三井、神のスリーポインターを中心に攻めるのだろうということは、普段監督をしている藤真には容易に想像できたからだ。


高頭「お前は、この試合はゲームメイクはしなくていい。ここからは牧に任せろ。



   高校に入学した直後のインターハイ予選で海南をてこずらせたポイントゲッターの姿を見せてくれ。外からでも中からでも好きなタイミングでシュートを打てばよい。


   三井っ。バテてないか?」


三井「へっ。バテるはずがないぜ。ここからが本番だ。」



高頭「お前の爆発力にも期待している。不調なようなら神に変えるぞ。」


三井「悪いが、神、今日は出番がないぜ。」


神「今日のところは、三年に任せますよ。ただし、調子が悪かったらいつでも変わりますから。」


高頭「・・・牧。」


牧は高頭が言いたいことはすべて理解していた。


牧「いくぞ。まだ、たった1点差だ。このまま負けたら流川に笑われるぞ。」



一方、秋田のベンチは盛り上がっていた。


堂本「よしっ。流川には悪いが、こっちのペースだ。中山もこのまま自分を出していけ。」



深津「気を抜くなピョン。まだ1点しかリードしていないピョン。」


河田「そうだな。高さではこちらが有利だが、あっちも開き直ってくるかもしれん。」



堂本「外か・・・。松本、三井には気を付けろっ!」


松本「はいっ。アイツはへばってても、打ってくるので気を付けます。」



さすがに百戦錬磨の秋田なので、気を緩めることなく気を引き締めていた。



試合が再開された。


河田「おっ。花形は変えたのか?ずいぶん小さいチームだな。」


牧「走るぞ。」


牧から藤真へそしてすぐに牧へリターンパスがされた。



深津「今度は、止めるピョン。」


しかし、ここ一番の牧の集中力はすさまじかった。



深津が序盤よりディフェンスに力を入れていることを見抜き、すぐには抜けないことを見抜いていた。


抜くと見せかけていたが、すぐにストップし、流れるように仙道の方へ体を向けた。


仙道がマークを外していたのだ。



それは、中山が作った罠だった。牧が、仙道へパスをしようとした瞬間、中山が動いた。



中山「(ひっかかった)」



そう思った瞬間、牧は、逆方向にノールックでパスを出した。



そこには、藤真が待ち構えていた。



河田がブロックに行こうとしたが、赤木が体を張った。



赤木「打てっ!」



藤真は躊躇なくシュートを放った。


シュートはキレイな弧を描いてリングに吸い込まれた。


神奈川 48

秋田  47



中山「くそっ。うまくはまったと思ったのに。」




深津「狙いはよかったピョン。がっかりする必要はないピョン。


   相手は海南の牧。そんなに簡単にはいかないピョン。」


再度神奈川選抜が逆転した。

(続く)
posted by だんす at 18:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編
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