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2016年06月05日
スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part64 逆転
神奈川 46
秋田 43
観客「おおーっ。あっという間に3点差!!」
観客「勢いは完全に秋田になってるな。」
深津「ナイスピョン。それでいいピョン。」
中山「はいっ。」
戦力的には、流川と仙道が入れ替わっただけなので神奈川の戦力にそれほど変更があったわけではなかった。
しかし、流川の退場でムードが変わり、流れが途切れてしまったのだ。
藤真「ちょっと嫌な流れだな。ここが踏ん張りどころだな。」
花形「あぁそうだな。しっかり一本返すぞ。」
神奈川のメンバーもムードが変わりつつあることを実感していた。
藤真は落ち着いてパスを回した。
ハイポストの赤木に一旦ボールを入れ、赤木が右に首を振り、スピンムーヴで切れ込むふりをしたところで、三井が走りこみ、ボールを受け取った。
この辺りはさすがに同じ高校で練習しているだけあって、息があっていた。
しかし、その三井の動きを中山が読んでいた。
中山が三井の前でディフェンスに入った。
三井「おっ、なかなかやるな。けど、まだあめぇな。」
そのまま三井は左に行くと見せて、ローポストにいる花形にパスを入れた。
花形「よしっ。」
花形がシュート体制に入った。ほぼフリーの体制に遅れて野辺がブロックに入った。
完全に決まる体制だった。
が、野辺のブロックが炸裂した。
花形「な、なにぃ。」
野辺「!?な、なぜ届いた!?」
ブロックした野辺も少し驚いていた。
野辺がはじいたボールを取ったのが中山だった。
深津へボールをわたし、すかさず速攻に走った。
深津から松本へボールが渡り、松本が落ち着いてレイアップを決めた。
神奈川 46
秋田 45
福田「なぜあのタイミングで止められた!?」
田岡「考えたくはないが・・・、疲れだな。」
彦一「し、しかし、翔陽は疲れてバテるような練習はしてないはず。
現に、国体の練習の時もものすごい練習量でしたで、カントク!!」
田岡「翔陽は真剣勝負をした試合が今年は決定的に足りていない。
湘北に負けて、決勝リーグに勝ち残っていないのだ。
プレッシャーがある試合をしていない。それがいきなり全国の決勝戦だ。
しかも相手は、全国屈指のリバウンダ—野辺だ。
相当体力が削られているだろう。ジャンプ力が落ちているのだ。」
田岡の推測は当たっていた。それは、高頭もわかっていた。
中が弱くなっていることを感じた三井が3Pを放ったが、外れた。
そして、河田がバテているとわかっている花形のところから攻めた。
軽いフェイクで花形をジャンプさせ、シュートを放った。
普段なら花形は最初のフェイクで体が流れることもなく、もう一度ジャンプし、防ぐことができるのだが、足がもつれた。
神奈川 46
秋田 47
観客「逆転だーーー。」
ここで高頭がタイムアウトを取った。
高頭「(まずいな。流川が負傷して、花形がバテたとなるとインサイドで太刀打ちができなくなる。まだ、3Qだぞ。どうする。)」
高頭は冷静を装っていたが、頭の中はフル回転をしていた。
高頭「(高砂では荷が重いが高砂で行くか!?それとも・・・)」
もう一つの案が高頭の頭でよぎった。しかし、その形は一度も練習をしていない。
悩んでいる高頭に向かって一人の男が、席を立った。
牧「そろそろ出番じゃないですか?監督」
(続く)