東京五輪に出場する女性選手は、過去最多で選手の半数近くになった。2024年予定のパリ五輪で初めて男女同数になるという。
女性は最初から五輪に出場出来なかった。オリンピック提唱者のクーベルタン男爵が「女子競技は五輪の品位を下げる」と反対したからだ。第二回からは女子も参加できるようになり、大会を重ねる毎に、男女同数に近づいてきた。
だが、競技団体の役員や指導者はまだ、圧倒的に男性が多いままである。
森元会長の女性蔑視発言以来、改めて男女平等を謳う五輪・パラリンピックの精神を遵守する方向で、見直しがなされている。
しかし、日本社会に転じると、女性だから、男性だからという縛りで行動が決められてしまう性差意識がいまだに浸透している。そのため、世界各国の男女の格差を示すジェンダー・ギャップ指数で日本は153カ国中121位という不名誉な国で、性差別がはびこる不均衡な日本社会になっている。
令和の時代になっても、日本の性差別や男女格差の状況は、依然として改善の方向には向かっていない。男女格差をなくしていくには何が必要であろうか。
国会議員の女性比率を半数にすべきである。
世界の国会議員で女性が占める割合は平均25.5%で、日本は9.9%で169位、G7諸国で最低である。女性首相を擁するニュージーランドのように、女性の国会議員は48%を占めている国もある。
それでも世界全体で男女同数まで達するにはあと50年かかるため、クオーター制の導入が必要になる。
クオーター制は男女間格差を是正する方策で、性別等を基準に一定の人々や比率を割り当てる制度のこと。つまりは構造的な差別により力を生かす機会が少ない人に機会をつくり、実質的な平等を実現する「ポジティブアクション」の一つである。
日本と諸外国との差が広がる背景には、多くの国が積極的にクオーター制などを実施してきたことが挙げられる。現在では118の国と地域で導入されているという。日本も含め、クオーター制を採用していない国は少数派なのだ。
日本も国会や地方議会などの議員選挙で、候補者や議席の一定割合を男女に割り当てる制度を早急に導入すべきである。そうでないと、ずっと性差別の国として世界中から嫌われ続けられるだけである。
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