米国の主要企業はというと、巨額の自社株買いを行い株主至上主義に染まったボーイング社のように、株主価値を最大化するという名の下で企業が現金を求めて金融マシン化し、超富裕層への富の集中と雇用の空洞化、そして生産性の停滞を招いた。その結果、経済格差や気候変動の高まりを受けて世界のビジネスリーダーは、株式資本主義への反省から、ステークホルダー資本主義への転換を語るものの、コロナ禍になってむしろ従業員を削り、株主に多き報い、物資増産には消極的だった。
他方で、世界の富豪102人が、「今こそ私たち富裕層に課税を」と、政財界のリーダーに富裕税の導入を呼び掛ける異例の書簡を公表した。102人は現行の課税制度は不公平で「富める者がより豊かになるよう意図的に設計されている」と批判した上で、「世界のすべての国は、富裕層に適正な税負担を求めなければならない」「今こそ私たち富裕層に課税を」と訴えた。
今こそ、株式資本主義に代わる持続可能な経済を求めて、各国政府は富裕層への課税対策を直ちに打ち出すべきである。
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image