子どもに牛乳を飲ませることはまさに子どもを虐待しているに等しい所業です。と激しい言葉で否定するのは、内海聡医師です。
内山葉子氏の著書『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』の内容も併せて、内海氏の見解とその反論(j‐milk)を検証してみたいと思います。
牛乳の蛋白(カゼイン)はもともと胃腸で消化されにくく、消化管でスムーズに処理されず、いろいろな毒素をだし血液を汚していきます。
生の牛乳には酵素が生きているので、カゼインを分解する酵素が含まれていた。しかし、現在は殺菌のために加熱され、その酵素は死んでしまうと指摘するのは内山氏。
それに対して、一般社団法人Jミルクでは、「こうした酵素類は乳牛の分娩直後の乳に比較的多く含まれているもので、酵素量(活性)は日を追うごとに減少するとされています。飲用に供する通常の生乳中の酵素等は大幅に減少しており、身体に影響を与えることはありません」「一般的に、タンパク質は加熱することによって「変性」しますが、牛乳を殺菌する程度の温度では、その変性は僅かなものです」と反論しております。
その「牛乳を殺菌する程度の温度」は、多くは120~130度で2~3秒という超高温殺菌です。75度で15秒加熱する高温殺菌や、62~65度で30分加熱する低温殺菌もありますが、どんなに低くても62度以上です。
対して「牛乳は腐敗し易いものであり、(中略)殺菌技術が確立・改良されたことによって、安心して牛乳を飲むことができるとともに、賞味期限も飛躍的に伸びています」。
カゼインは粒子が小さいので、腸の機能が弱っている時には腸壁を素通りして血液の中に入ります。この必要としない異質の蛋白質を摂り入れるとアレルギーが増強します。
牛乳に含まれるカゼインは主にα型なのに対し、人が消化できるのはβ型です(母乳のカゼインは主にβ型)。生の牛乳ならα型を分解する酵素も一緒に取れるので問題ありませんが、現在の牛乳は加熱しており、酵素は働きません。
対して「カゼインは水に溶けない物質です。牛乳中に含まれるカゼインは、非常に細かい粒子が均等に分散し、安定してその状態が保たれています。カゼインは酸性にすると凝固します。この状態のものをカートと呼びます。カゼインは胃の中で凝固しますが、十二指腸や小腸へ進む中で、ゆっくりと確実に消化は進みます」
『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』によると、牛乳中のカルシウムは、多くがα型カゼインと結合しているため、胃の中でイオン化せず、吸収されにくくなっています、とされる。
また、牛乳にはリンがたくさん含まれるため、骨のカルシウムは溶け出し、それまで体内にあった同量のカルシウムと結びついて、リン酸カルシウムとなって体外に排泄されます。つまり牛乳を飲めば飲むほど体内のカルシウムが減少して骨が弱くなるのです。
対して「カゼインは構造中にリン酸構造を含んでおり、カルシウムはリン酸部分に結合しやすく、そのためカルシウムはカゼインに保持され、この性質がカルシウムの吸収を助けています。カゼインは胃の中に入ると凝固してカート状になります。この時リン酸とカルシウムの間のつながりが一旦切れて、カルシウムはカルシウムイオンとして胃液中に溶けだすと考えられます」。
カルシウムは胃の中ではイオンの形で溶けていたものが、腸へ行くと遊離のカルシウムイオンとして存在する割合がぐっと減るが、カゼインホスホペプチド(CPP)が共存すると、カルシウムを捕まえて腸管からの吸収を助けるのだ、とj‐milkでは述べております。
現在、多くの乳牛は遺伝子組み換え(GMO)の作物や、本来のエサである草ではなく穀物を与えられ、ホルモン剤、抗生物質などが投与され、牛乳にはそれらの成分も含まれている、と内山氏は言及され、対してj-milkは、「少なくとも日本では、乳牛へのホルモン剤の投与は法律で禁止されています」「乳牛も生きた動物ですから病気にもなり、抗生物質を含めて医薬品が投与されます」。
砂糖の害は、まずは「白砂糖」。精製された「白い」ものということです。
砂糖は主としてサトウキビ、ビート(大根)から作られています。原料そのものにはビタミンやミネラルが含まれています。しかし、精製という最新技術で、そのビタミン・ミネラルは根こそぎはぎ取られます。そして、その精製過程で使われる薬剤は苛性ソーダ(強アルカリ性)、次いで硫酸(強酸性)という本来食品に使用すべきでない劇薬です。この製法が、日本の厚労省で認められていることをよく考えてください。
つまり、白砂糖は、もはや食品ではありません。危険な食品添加物です。
そして、もっとも恐ろしいのは人間の脳に対する作用が「麻薬」と同じだということです。
もう一つ、食べるのを止めれば健康になると言われている食品として、「小麦」があります。砂糖と小麦を止めればほとんどの病気が治るとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
最近の小麦粉は品種改良されすぎて、もはや食べ物とは言えないレベルにあるというのが昨今の小麦に対する認識です。と内海氏は語り、白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二氏も、品種改良に問題があったとおっしゃる。品種改良をしてその結果として病気をつくる結果となったとすれば、それは「品種破壊」である、と。
現在、米国では1960年代に食べていた小麦品種は今では市場に存在しない。現在生産されている小麦は、交配に交配を重ね、さらに異種交配し、遺伝子移入が重ねられた結果、獲得された品種。新品種は中毒性があり、肥満症やメタボリック症候群を発症する小麦に変化したと、米国ウィスコンシン州のミルウォーキーで予防循環器科の医師として活躍するウィリアム・ディーヴィス博士は主張しているそうだ。
また、砂糖の問題について、スタンフォード大学医学部疫学研究センターのサンジェイ・バス博士は、「砂糖の問題点は精製された点であり、摂取され糖質の量も問題ではない」と考察している。
内海氏は重ねてこのように警告する。
「まず、小麦は体にあまりいい食べ物ではありません。それは一つの事実だと思うので嗜好品として食べるくらいの意識でないといけません。そしてアメリカ産や外国産の小麦を避けるだけでも、かなり健康への影響は変わってきますので、国産小麦にこだわっている小麦食品を食べるだけでも違います。もはや海外にかつて食べていた小麦品種、いわゆる古来種や在来種と呼べそうなものはない状況で、それが全粒であってさえも問題だというのが今の状況だそうです。
もともとアメリカ産小麦や日本の農林10号などがベースの改良品種は、そもそもロックフェラー財団系の研究所で作られたものらしいです。この開発者もノーベル賞をとっているらしいのですが、またロックフェラーなんですね。またこの話題は別に小麦に限ったことではありません。コシヒカリやそれに類する種であっても、品種改良によっても無理に美味しく変化=健康には悪いに操作がされています。ササニシキの方が健康に良い、より古来種の方が糖度も少なく昔の日本のお爺ちゃんお婆ちゃんの健康につながる、というのはこういうことも関係しています」。
更に、「2013年には遺伝子組み換え小麦が根付いているというのが発見されたそうなんですが、この小麦は砂糖よりも血糖値を上げやすく、一部が脳関門をすり抜け直接作用しているとする研究もあるそうです。もともと在来種に近い小麦だとパンやピザのように生地が伸びたりしないそうですし、パンを食べるなら控えめにしながら、良い小麦と添加物と化学合成のイーストを使っていない、本物のパンにした方がいいですよね。小麦は陰性食品なので冷え性の人は特にご注意ください」。
※体をつくる食べ物は、丁寧に育てられ、愛情をこめられて作られたものを♪