FALL IN LOVE
小林明子
今回は買戻しならぬ買い直し。
「恋におちて」でおなじみの小林明子さまの1stアルバム。
長らくカセット版で愛聴していたアルバムなのだが、このたびようやくCD版に買い替えた。帯には懐かしい「CD選書」(名盤復刻CDの廉価版シリーズ)の文字。90年代によく買い漁った。デッドストックか何かかもしれないですが、このシリーズまだ売ってたんですね(驚)
このアルバムはもともと私が子どもの頃、親が運転する車の中でしょっちゅうかかっていたアルバムだった。なのでごくごく個人的な郷愁的思い入れも強いが、それを差し引いてもかなりの佳曲ぞろいの名盤に思っている。たしかクリスマスが近づく頃にリリースされたアルバムだったと記憶しているが、冬の澄んだ空気にぴったりの曲がたくさんはいっている。
私の中でのいちおしは「冬の園」。
25歳の女性が主人公の悲しい失恋の歌だ。バックのギター演奏が冬枯れの木漏れ日のごとく柔らかくて美しい。
「Misunderstanding」や「優しくだまして」もいい。聴いたとたん記憶の扉がぱっと開いてあっという間に子供時分に連れ戻されたような気持ちになる。あの頃はどの曲もひどく大人なものに思えていた。「25歳」という年齢の響きも当時の私にとってはどこか魅惑的で「自分もこんな大人になれるのかしら」と胸をときめかせていたものだったが、私の25歳ときたらまーそれはそれは・・・たいしてドラマチックな出来事も起こらず、仕事に明け暮れてばかりの実に色気も素っ気もない25歳だったように思うとはいえ今にして思えばそれなりに楽しいことも多い年頃だったけれど。
小林明子さん、しばらくお見かけしないと思ったら現在はイギリスにお住まいらしい。
たまにはまたあのエレガントな歌声を聴かせてほしい。
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