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派遣海賊対処行動水上部隊に派遣される護衛艦には、機関銃の銃座を増設することが多くなっております。
むらさめ型護衛艦以降の艦ではそれなりに機関銃座を設置する位置があるのですが、あさぎり型護衛艦だとえらい位置に機関銃座が設置されます。
図1 あさぎり型後部光景
引用URL:https://www.mod.go.jp/js/Activity/Gallery/images/Anti-piracy/pb_33/201904/20190425_02.jpg
スペースの取り合いの上に、機関銃座の不具合も重なりえらい目に遭った思い出がよみがえります。
もがみ型では何とかなるかな〜?
(前回記事):『【 世界情勢】英仏は争ったり貶ししたり忙しいね〜! 』
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(1)あさぎり型も派遣するんすか(驚愕)?!
最近のソマリア沖海賊対処派遣については、あさぎり型護衛艦の派出も当たり前に行われるようになりました。
図2 護衛艦せとぎり護衛
引用wiki
しかし、海賊派遣当初にはあさぎり型護衛艦も派出するとなって後方部門がてんやわんやの大騒ぎになりました。
1.1 あさぎり型は派出しないって言ってたのに〜!
2009年にソマリア沖派遣が決まったときは、インド洋派遣が継続していた時期と重なります。
インド洋派遣については、基本的にあさぎり型を派出しないという方針が海上自衛隊内にはありました。
ちょうど、むらさめ型たかなみ型が就役している時期でありでもありました。
図3 あさぎり型全景
引用wiki
併せて、2000年ごろからIMO(国際海事機関)の規制強化が強まり、外航艦船の汚物処理基準が厳しくなっていたころです。
基準に適合するために、あさぎり型護衛艦については大規模に汚物処理装置を改修する必要があるため改修が終わるまであさぎり型を派遣しないという話になっていました。
ですが、ソマリア沖派遣も行われるため艦艇のやりくりがつかなくなってきました。
そのため、あさぎり型護衛艦も海賊対処派遣に駆り出されることになります。
聞いてないですよ〜!
1.2 改修工事を巡り大混乱!
さらに海賊対処では、防弾版やLRAD・自衛用機関銃の増設などが求められ大混乱になっていきます。
以前の記事で、海賊対処派遣準備工事でいろいろと書きましたが、いろんなところが入り乱れます。
(以前の記事):『【 海上自衛隊】海賊対処派遣準備は大変だ! 』
造修補給所の工事担当だけでも、
?@LRADの設置:需品科が工事
?A通信機器増設:通信電子科の工事
?B小火器銃座設置:誘導武器科の工事
?C防弾板防弾ガラスの設置:船体科の工事
というようにあちらこちらの科が入り乱れた準備工事になります。
これが、むらさめ型やたかなみ型護衛艦ではすんなり進みました。
図4 LRAD銃座
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/operation/img/pirates/suijyo07.jpg
しかし、あさぎり型護衛艦の派遣準備工事になると大混乱になります。
『どこに後部警戒用の銃座を付けるんだ(怒)!』
1.3 後部銃座の設置をめぐり大騒ぎ!
むらさめ型以降の護衛艦後部ヘリコプター格納庫上部には、CIWSやFCS-2方位盤が置いてあるため、比較的簡単に後部警戒用銃座を設置することができました。
(むしろそこしか置く場所がありません!)
図5 むらさめ型後部
引用wiki
しかしながらあさぎり型護衛艦に置き換えると、とんでもない問題が発生します。
図6 あさぎり型を斜め前から
引用wiki
ちょうど排気熱で揺らぎが発生しているように、あさぎり型護衛艦のヘリコプター格納庫上部の位置は機関排気熱が直撃する場所になってしまっています。
そのため機関銃座なんて置いたら、配置人員が黒焦げになってしまいます。
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(2)射撃屋さん大激怒案件続出!果たして間に合うか?
小火器を扱う射撃屋さんにとっては、機関銃座で黒焦げはごめんこうむりたいところです。
さらに仮設する機関銃座の不具合発生により射撃屋さん大激怒連発です。
2.1 ここに設置しよう!ミサイル屋さん大激怒!
後部銃座については、とにかくヘリコプターの運航を妨害しないことを大前提に設置場所を探すことになります。
図7 後部甲板全景
引用wiki
一時は、短SAM発射装置のさらに下にある後部係留装置が設置している後部甲板に機関銃座を設置することも検討されました。
しかし、防弾板で開口部を閉鎖すると出入港作業の邪魔になるとの見解により取りやめとなります。
そのため結局は、短SAM甲板に後部機関銃座を設置することになりました。
図8 後部銃座
引用URL:https://www.facebook.com/JMSDF.PAO.fp/posts/1073792486015802
多少不格好ですが、無いよりましな状況として妥協することになりました。
(ただ砲雷長やミサイル員・ヘリパイロットには大不評です。)
2.2 水上艦用機関銃架3型で大激怒!
そんなおり、住友重機が水上艦用の機関銃架について新型を売り込んできました。
「小型軽量になって設置も楽ですよ!」という触れ込みでした。
ちょうど5.56mm機関銃MINIMIを護衛艦に搭載するようになり、簡単に仮設できる小型銃架が必要となっていました。
図9 従来銃架台
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1262270858778689538/photo/1
従来の銃架だと、M2機関銃専用となってしまい重量もあるため設置場所が限られていました。
必要なので早速試作品を設置して水上で射撃してみると、1本支柱の長さが悪かったため甲板と共振してしまい、射撃散布界がとんでもなく広くなってしまうものとなりました。
『おんどりゃああ(怒)!出直してこ〜い(怒)!』
早々に試作品は撤去となり、3本支柱の銃架が登場することになります。
図10 3本銃架
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/sf/whatsnew/images/y635.jpg
あの頃は派遣艦艇の砲術長や射撃員が、連日造修補給所誘導武器科の監督官を締め上げていたなあ〜(大汗)。
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(3)あさぎり型は派遣が続く!
令和3年6月5日には、護衛艦「ゆうぎり」が第39次派遣隊として出港いたしました。
図11 ゆうぎり出港
引用URL:https://twitter.com/ModJapan_jp/status/1401013759309541376/photo/2
海賊派遣は、今後も継続するため毎回ドタバタしているのが続いているかもしれません。
早くもがみ型護衛艦FFMが就役しないかな〜?
護衛艦「ゆうぎり」も頑張ってきてくださいね〜!
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T提督の世代はちょうど、最後の海軍を知る世代から直接教育を受けた最後の世代ですのでどうしても海軍航空隊やら艦隊至上主義になりがちなところがあるますからねえ・・・
ちょうどミサイル全盛期に切り替わりのころで「PGC大熊学校」出身となるとその傾向は強くなります。
ミサイルが当たり前になった現代だと、ちょっと話が合わな今もしれません。
海軍の思想が薄れていき「戦闘機は航空自衛隊」という思想が当たり前になってきている状況では、無理なトライはしないでしょう。
T提督は現状のいずもの空母化が余りお気に召さないようです。
http://navgunschl.sblo.jp/article/189027474.html
やはり、日本空軍の本質は陸軍防空戦闘機隊の末裔の空さんではなく、我々海軍航空隊だとのだとの気負いがあるのでしょうか(w
海さんは時計のごとく正確に装備調達をするのには定評がありますけども、過去何回かトライしたように自前の艦上戦闘機部隊とCVを持つのかどうか見ものではあります。
ソマリア沖や中東派遣情報収集艦の防弾装備や小火器銃座防弾ガラスは、仮設ですので派遣終了後に撤去して次の派遣予定艦に使いまわす形になっています。
防弾ガラスの常設化検討防衛大臣指示が出て、今後常設化にはなるかもしれません。
(なにしろ防弾板や防弾ガラスも高いので全艦揃える金がありません)
ソマリア派遣などは、実動作戦行動という経験としていろんな教訓が出てきましたので結果的にはよい実戦訓練にはなったといえます。
陸自や海保との協同作戦は、統合運用の観点からいろんなノウハウや協力関係の強化につながりました。
インド洋派遣が始まった2001年よりは、ずっと仲良くやっています。
海上輸送部隊創設にあたり、陸上自衛官が輸送艦で艦艇勤務するなど統合運用の歩みは着実になったといえます。
現在、ソマリアやペルシャ湾近くに護衛艦を派遣してますが、そのために派遣される艦は小火器銃座設置や防弾板防弾ガラスの設置をされますが、この装備はその後撤去するのですか?
近年海自をはじめ各自衛隊が外国軍と合同演習をしていますが、ソマリア等の派遣は準実戦(海賊の攻撃の可能性あり)ですので、良い実戦訓練になっているのでしょうか?
また、ソマリアには海保職員も同乗し、基地には陸自の方もいるので、以前より仲良くなっているのでしょうか?
尖閣有事や水陸両用作戦、いずものF-35B運用など、これから領域を跨いだ連携が必要になるかと思いますので、以前と比べてどうなっているかと思いまして、。
海自は内局の若手職員の長期研修(3年目職員の近海練習航海参加)や、海自各部隊への出向を積極的に受け入れるので、日ごろから内局と意思疎通がしやすい空気を作り出しています。
そのためいろんなことで、内局に意見を通しやすいところがあります。
空自は、内局とはドライな関係になっており是々非々と聞いています。
陸自は、特に数の多い防大卒の我が強すぎて内局に嫌われていましたね〜。
MINIMI強奪は、半ば内局防衛局に事前根回しをしておいて陸幕装備部に乗り込んで、
「さあ内局がMINIMIを海自に渡せって言ってますよ〜あとはハンコを押すだけですよ〜?押さなかったら会計検査院にMINIMIが余って倉庫に死蔵されてると垂れ込むで〜?」
と半ばだまし討ちで分捕った感じになります。
陸自も内局がすでにOKサインを出していることに反抗するわけにもいかないので、しぶしぶ管理替えのサインをすることになりました。
海自は内局とつるんで政治をするからズルい!なんていわれるのは、こんなことをやっているからでしょうね〜。
陸海空での装備物品の管理替えは、頻繁というわけではありませんがUH-60系統のヘリ部品や弾薬など共通装備品でたまにあります。
装備物品の管理替は陸海空幕僚長が「分任物品管理官」として、幕僚長名義で「管理替請求」を行い、防衛大臣(防衛庁長官)決済で行います。
実際は、内局整備計画局長の「専決」(防衛大臣の権限の一部を委任され決済ができる行為)で、陸海空での間で物品装備の管理替えが行われています。
一応、自衛隊をまたぐ話なので幕僚監部まで請求を上げて管理替手続きをしています。
しかしミニミ強奪ってwww
よく陸自が許してくれましたね。
陸自から海自への管理替えって頻繁にあるんですか?それと管理替えはどのように行われるのでしょうか?
インド洋派遣の時は、最初は本当にM1919A4など陸上保管庫からを持っていきました。酷暑の中でなかなか快適に動いていたそうです。
ただ若い隊員が操作方法を知らないなど、結構困った問題になり早急な更新が必要と要求が派遣部隊から出ていました。
海自護衛艦で保有していた62式機関銃も、陸自ほど酷使していなかったため作動不良の問題はさほどなかったと聞いています。
ただ、機関部がインド洋の灼熱の中で過熱してしまい射撃時に顔を近づけられない問題が発生して、早急な改善(MINMINの配備)要求につながりました。
62式機関銃の海上での運用は、動作不良より排莢される薬莢とベルトリンクの回収のほうが大変だったそうです。
分離したベルトリンクが結構な確率で、海に落っこちて大変だった模様です。
当時こんな感じで使っていました。
https://pbs.twimg.com/media/EplydSYUcAAMf4l.jpg:small
陸自のMINIMIは1993年からの調達開始だったので、インド洋派遣開始当時はまだ全部隊にいきわたっていない状況でした。
海幕は2002〜2003年にとりあえず陸自北部方面隊に納入されていたMINIMIを10丁ほど強奪(管理替え)して、派遣部隊用に使いまわしたと当時の海幕誘導武器班から聞いています。
(この辺の暗闘もなかなかすごかったようです。)
2005年からようやく海自向けMINIMI予算が通るようになりました。(新規装備品の予算要求を通すにはやはり3年ぐらいかかります)
国産の機関銃の作動不良の問題は大丈夫だったのですか?
装備の世界では、ある時期までは「一度設計完了して調達を開始したものは簡単には設計変更することはまかりならん!」という不文律がありました。(やったら左遷じゃ〜なんていわれたこともあります。)
これは、前任者のやったことを否定することになるという面もありますが、多くは調達予算要求における大蔵省(財務省)対策という部分が大きくあります。
財務省の論理になると、「設計変更する?じゃあ今までのものは欠陥品だったのですね、これ以上調達する必要はないでしょう?予算カットね!」なんてことが普通にありました。
工学的には、完成品が登場することで改良すべき点を洗い出し設計変更するというのは当たり前のことになります。
ただ、会計法により「監督・検査」をして受領したものは、「完成品」であるというのが法学的視点で出てきます。
(欠陥や設計改良する必要がないものを受領したと考えます。)
財務省は、会計法など法律的視点でものを見るので「設計変更=欠陥品取得」という発想になるため、一時期までなかなか設計変更を要求できなかったという部分があります。
さすがに会計検査院が別省庁の案件で「設計変更を認めず再度新しいものを作るのは無駄!」と財務省を責め立ててから、設計変更の予算要求が通りやすくなってきました。
(スパイラル開発や、FFMのようなバッジ管理方式でとりあえず作ってどんどん改良していく方式が認められるようになっています。)
財務省の「完成品主義(改良なんて不要!)」の考えが原因といえます。
最近は、まあ財務省も頭は柔らかくなった方ですが主計局は法学部出身の人間ばかりで工学的常識が通用しない世界です。
(艦発隊のとき、財務省主計局一行の見学を案内しましたが、ほんとにこの人たち一流大学出たのかね?と思うくらい工学的初歩が通じない状況でした)
ところであさぎり型の設計変更が難しかったというのは分かるんですが『設計変更は「打ち首獄門!」』って何ですか?新しい設計の場合は出来上がって初めて分かる欠陥や不具合もあるわけで普通はそういった欠陥や不具合のデータを集めて設計を改良するものだと思っていたのですが。常識的に考えて欠陥や不具合が分かっているのに同じ装備を作るなんておかしいですし。
あさぎり型の後部FCSの焼損などその後も運用上の不具合はいろいろ起こり続けました。
後部マスト上に搭載している電波探知装置NOLR-6/NLOR-8が焼けこげたり、後部マストの強度に影響をが出たりといくらでも問題は発生しています。
最初の58DD(あさぎり)が海上公試に出た後、急遽後部マスト取り付け位置が修正されるほどでした。
当時(1980年代)は、88艦隊創設が最優先であり2年であさぎり型6隻が建造(59DD・60DD)などとにかく建造が最優先でした。
あさぎりが海上公試にでた1987年には、すでにかなりの艦が進水済みまたは進水直前という状況ですぐには設計変更できないほど過密日程だったのです。
設計変更は「打ち首獄門!」なんて言われてた時代でしたので、まずは就役優先でその後修正を重ねていけばいいんなんていう時代背景があります。
しかしここまで長くあさぎり型護衛艦を使い続けることになるとは、当時も思っていなかったため現代までだましだましで使続けてきました。
ロールスロイス・スペイSM1Aの排気煙がここまで悪さをするとは設計段階では見積もれなかったのも原因です。
そのような欠陥なら艦が完成したあとですぐ分かりそうに思えるけど同じ欠陥を持つ同型艦を作り続けたのは何故でしょうか?
あさぎり型護衛艦が臨時修理で入ってきたときに、ちょうどヘリ格納庫上部に上る機会があります。
まああ、言葉にできないような惨状が発生していてえらい目に遭いました(遠い目)
軽装甲機動車用で製造した防盾のノウハウを生かせばいけると考えたのが失敗の原因のようです。
あの時は、自艦の甲板を撃ち抜くんじゃないかってぐらいにMINIMIが上下していました。(M2機関銃では何ともなかったのですが・・・)
ネットでも度々噂になってるきり型の欠陥煙突配置ェ……
同じく格納庫上に据え付けてあるスパローのFCSが焼けて破損するレベルで
熱が出るならそら人なんてひとたまりもない訳で
そしてこの頃からやらかしてる住重は平常運転なんやなって(全く良くない