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令和6年度概算要求が2023年8月末に提出され、防衛省の概算要求も登場しました。
皆さんの感想は、まさにこんな気分でしょう。
図1 戦争じゃあ
引用:野望の王国(雁屋哲原作:日本文芸社)
謎の精密誘導弾は結局、スタンドオフミサイルの一つとして登場するようです。
なかなか思い切った予算編成になったといえます。
(関連記事):『 【防衛省】令和3年度予算案決定!ASM-3Aも調達! 』
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(1)精密誘導弾はミサイルか〜
前回の記事にて、ナゾの精密誘導弾について考察いたしました。
(前回記事):『 精密誘導弾ってなんやろなあ?【防衛省】 』
図2 XGCS-2
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/16/jigo/sankou/11.pdf
XGCS-2の超射程ロケット型を予想していましたが、外れだったようです。
1.1 スタンドオフミサイルになるのか〜
令和6年度概算要求において、事前情報のあった精密誘導弾の概要が判明します。
図3 精密誘導弾
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf
結局はスタンドオフ防衛能力の中で、新たなミサイルを開発することになったようです。
XGCS-2を改良した、和製GLSDBが見てみたかったです。
1.2 先進対艦・対地弾頭技術の量産かな?
2015年から研究されていた、先進対艦・対地弾頭技術の研究が量産化に進むのでしょう。
図4 先進対艦・対地弾頭技術の研究
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/img/rikusouken/img2022_rikusouken08.png
この技術研究もなかなか強力でしたが、うまく量産化に進めたようです。
1.3 詳細は政策評価事業で出るかな?
今回の概算要求については、精密誘導弾(新地対艦・地対地精密誘導弾)の外観イメージは登場しませんでした。
図5 155mm多目的弾
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/14/jigo/sankou/04.pdf
03式155mm多目的弾のように、あまり詳細が公表されなかった装備についても政策評価事業に登場します。
まあ、政策評価を待ってどんな装備になるか待っていましょう。
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(2)パトリアAMV810両?!新型FFM4880t?!
令和6年度概算要求と共に、いろんな情報が雪崩のように襲ってきています。
図6 パトリアAMV
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf
令和5年度から調達が始まった、パトリアAMV装輪装甲車は衝撃の情報です。
2.1 パトリアAMVを810両も導入?!
96式装輪装甲車の後継として、パトリアAMVの導入が始まり年間28両というハイペースな調達が進んでいます。
総計どのくらい導入するのか不明でしたが、プロジェクト管理プログラムにて予定調達数が判明してびっくりです。
「810両」
ふぇ?810両?!96式装輪装甲車(361両)より多いじゃん!
まあある意味、最大の驚愕要素と言えます。
ライセンス国産を日本製鋼所(JSW)が行うというニュースが吹っ飛ぶくらい、大量調達です。
本気で有事に向けて準備をするようになったと言えます。
2.2 新型FFMは4880t!
さらにビックニュースと言えば、もがみ型を改良した新型FFMが4880tまで大型化しました。
図7 新型FFM
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/pinup/pinup050825.pdf
むらさめ型護衛艦(基準排水量4550t)より増量するとは、なかなか思い切ったといえます。
1隻800億ほどになるようですが、まあDDの更新用である以上高騰は避けられません。
年間2隻の建造ペースを落とさずに、連続して建造できれば最高でしょう。
2.3 新型補給艦はやはりデカくなるか!
海自向けでいえば、とわだ型補給艦の代替となる新型補給艦が出てきました。
図8 新型補給艦
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf
ましゅう型などの形状に見慣れた人にとっては、驚きのデザイン変更となるでしょう。
ただ元々補給艦の運航において、視界を改善して欲しいと要望が出ていました。
さらにいずも型護衛艦への補給を考えると、船腹が大きくとれる形状への変更は納得です。
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(3)維持整備費の大幅増額は素晴らしい!
後方支援を行っていたものとしては、整備維持費の倍増は素晴らしいの一言です。
図9 整備維持費
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20230831.pdf
これでもう、ニコイチ整備をしなくて済むかも?
3.1 部品不足は昔から言われてきた
部品不足は、最近始まったことではありません。
図10 部品不足
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」と後方は虐げられてきましたが、ウクライナ戦争でようやく尻に火が付いたといえます。
正面装備優先のツケを、今になってやっと支払う結果となりました。
何とかこれで部品不足の解消が、進んで欲しいと思います。
3.2 兵站の充実が進むか?
兵站軽視が続いた自衛隊も、ようやく兵站補強を行えるようになりました。
弾薬燃料の他にも、医療体制の強化がもっと行われるべきでしょう。
図11 医療体制
引用URL:https://static01.nyt.com/images/2022/05/30/multimedia/30Firsov-inyt/28Firsov_3-articleLarge.jpg?quality=75&auto=webp&disable=upscale
ウクライナ戦争で見せつけられた、大量の戦傷者への治療体制を構築できるか?
今後の準備が大切といえます!
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新型補給艦について、車両搭載能力を付与することになりそうですね。
とわだ型補給艦3艦を代替えするにあたり、両用戦を意識しているのかもしれません。
かつて多用途輸送艦(事実上の強襲揚陸艦)構想が流れた結果、補給艦にも輸送能力が求められたのでしょう。
統合部隊としての海上輸送隊群と共に、輸送能力の見直しがようやく実現するといえます。
(多機能すぎて中途半端になるという危惧がありますが・・)
https://www.ships-net.co.jp/%e2%96%a0%e9%98%b2%e8%a1%9b%e7%9c%81%e3%81%8c%e4%bb%a4%e5%92%8c%ef%bc%96%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e6%a6%82%e7%ae%97%e8%a6%81%e6%b1%82%e5%85%ac%e8%a1%a8/
>14,500トン型補給艦は,補給艦“とわだ”の代艦として整備される新型である。
>船体が大型化し,燃料などの補給能力の強化,サイド・ランプを装備して車両搭載能力の付加,
>艦内の貨物移送装置の自動化などによる省人化などが図られる。要求額は825億円。令和10年度中に就役の予定。
以前の記事「【海上自衛隊】空母より強襲揚陸艦が欲しいのが現場の本音!」で西部方面普通科連隊を運ぶのに
>・ましゅう型輸送艦一隻を使っても足りないじゃないか!
という記載がありましたがその時の反省が今更生かされた?感じなのでしょうか之……