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2024年07月27日

アムラームのラ国とは驚いた!

『アメリカがライセンス国産を認めるとは驚いた!』
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2024年7月下旬になり、驚くべき話が飛び込んできました。

日本で生産したPAC−3を米国輸出すると共に、アムラーム(AIM-120)のライセンス国産が決まりそうです。

AMRAAMはF-35戦闘機用として、完成品をFMSで導入しているのが現状でした。
図1 AMRAAM
図1 AMRAAM.jpg
引用wiki
日本はAAM-4Bの運用や、次期中距離空対空誘導弾(AAM-6?)など国産誘導弾も並行生産していました。

アメリカもさすがに生産ラインが厳しくなったかな?
(前回記事):『 防衛白書でミサイル写真が出たよ!!
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(1)AIM-120(アムラーム)とは何か?

アムラーム(AIM-120)は、米国の中距離空対空ミサイルです。

図2 搭載
図2 搭載.jpg
引用wiki

軽量で各種の戦闘機に搭載できることから、生産数が多くなっています。

1.1 日本ではF-35A戦闘機用に導入

日本の航空自衛隊でも、F-35A戦闘機導入に伴いAIM-120を導入し始めています。
図3 発射
図3 発射.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/en/publ/w_paper/wp2022/DOJ2022_Digest_CH.pdf

令和4年度防衛白書別冊に、AIM-120を発射するF-35A戦闘機が掲載されています。

F-35戦闘機では、国産誘導弾の搭載が難しいため導入された経緯があります。

1.2 軽量かつ対空戦重視のミサイル!

AIM-120は、1980年代にAIM-7スパローミサイルの後継として開発が始まりました。
図4 AIM-7
図4 AIM-7.jpg
引用wiki
旧式化していたスパローミサイルを更新するため、撃ちっぱなし性能を重視しています。

1987年には先行量産型が配備され、1993年までに米空軍・米海軍で使用が始まります。

図5 全景
図5 全景.jpg
引用wiki
ミサイル全長約3.65m、重量約150kgほどで、軽量なミサイルです。

改良型も次々登場して、A/B/C型が次々と登場してD型の開発も進んでいます。

1.3 ウクライナ戦争では地上発射型防空システムにも!

アムラームの使い勝手の良さは、地上発射型防空システム「NASAMS」にも使用されています。
図6 NASAMS
図6 NASAMS.jpg
引用wiki
あまりの性能の高さに、次々とミサイルや無人機を撃墜してアメリカがミサイル供給が追い付かない状況になるほどです。

結果として、台湾以外のAIM-120運用国に出荷制限が行われる状況となりました。

FMSでアメリカから弾薬を買うとき、このようなリスクがあります。

さて日本は、F-35A戦闘機用ミサイルをどうするのかと思っていたらまさかのライセンス国産の話です!
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(2)AAM-4Bより安くできるかな?

国産の誘導弾であるAAM-4は、結構性能が良いミサイルです。

図7 AAM-4
図7 AAM-4.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/adtw/adm/shiken/missile/AAM-4.jpg

初期のAIM-120Bより、高性能なミサイルです。

2.1 対巡航ミサイル能力を持つ!

国産AAM-4やAAM-4Bについては、keenedge1999先生が大変詳しく説明していくれています。
(サイト: Keenedgeの湯治場(第二源泉):https://fanblogs.jp/keenedge1999/

特に巡航ミサイルへの対処能力を持つことが、AAM−4の強みです。

図8 巡航ミサイル撃墜
図8 巡航ミサイル撃墜.jpg
引用URL:https://www.cnn.co.jp/storage/2023/05/09/62c279c911477b6c8866362afd6860c3/t/768/508/d/explosion-is-seen-in-the-sky.jpg

ウクライナ戦争では相当数の巡航ミサイルが発射され、多くが撃墜されています。

巡航ミサイル対処能力を有する、AAM-4の考え方は正解だったといえます。

2.2 ラ国より安くできるのが国産の強み!

ミサイルは1発〇億円の世界であるため、量産効果で安くすることが求められます。
図9 スパロー
図9 スパロー.jpg
引用wiki

AIM-7スパローミサイルをライセンス国産していても、やはりライセンス料が上乗せされ高価格になりがちでした。

99式空対空誘導弾(AAM-4)が登場したのは、高価格になるAIM-120より安定的に生産できる利点があります。

今回AIM-120がライセンス国産となったとき、AAM-4Bより安くできるかが勝負でしょう。

2.3 弾薬は2種類以上あった方がいい!

一見すると、国産AAM-4Bとライセンス国産のAIM-120という非効率な体制に見えると思います。

図10 AIM-120
図10 AIM-120.jpg
引用RL:https://www.mod.go.jp/asdf/adtw/adm/shiken/missile/AIM-120.jpg

AIM-120については、F-15JMISIP機にも搭載は可能ですが性能的に不満が残ります。

さらに突然アメリカからの供給が止まる可能性もあり、国産弾は必要です。

次期中距離空対空誘導弾と共に、AIM-120のライセンス国産は継戦能力向上に役立つでしょう。
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(3)AIM-174(SM-6)のライセンス国産もあるかな?

最近米海軍が、SM-6航空機搭載型AIM-174を開発しています。

図11 AIM-174
図11 AIM-174.jpg
引用URL:https://www.twz.com/wp-content/uploads/2024/07/AIM-174-SM6-copy.jpg?w=1024&h=576

海自にも導入されるSM-6の派生型なので、ライセンス国産を考えた方がいいかもしれません。

3.1 超長射程ミサイルが欲しい!

中国空軍は、超長射程ミサイルPL-17の開発を進めています。

図12 PL-17
図12 PL-17.jpg
引用URL:https://www.thedrive.com/wp-content/uploads/2023/12/02/PL17-missile.jpg?auto=webp&crop=16%3A9&auto=webp&optimize=high&quality=70&width=1920

アムラームのライセンス国産と共に、長射程ミサイルの動向も気になります。

今後の情報に期待しましょう!
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posted by sstd7628 at 11:04| Comment(4) | TrackBack(0) | 自衛隊
この記事へのコメント
keenedge1999さま、こめんとありがとうございます。

専門家の話は、やはり非常に参考になります。

AIM-120搭載となると、やはり色々いじくりまわす必要が出ていますね。
応急処置としても、まずはミサイルとデータバス・コンピューターを繋いで「発射するよー!」と信号を出すだけでも一苦労です。(ランチャー内への信号ケーブル設置に時間がかかります。)

やはりAIM-7搭載航空機で、AIM-120を応急処置で発射するのは現実として無理があるといえます。
(素直にAIM-120搭載可能なF-35を用意するのが妥当ですね!)
Posted by 管理人 at 2024年08月06日 09:30
皆様に折角ネタを頂いたので、ささっと考察記事を書いてみました。
お暇な時にでもご笑覧下さい。

F-15在来機へのAMRAAM搭載改修を考察してみる
https://fanblogs.jp/keenedge1999/archive/62/0
Posted by keenedge1999 at 2024年08月05日 14:46
ROKETTOさま、コメントありがとうございます。

ウクライナ空軍の魔改造機による、献身的な迎撃戦についてはホントに頭が下がります。
(カネと技術さえあれば何でもできる!)

さて一部でいわれる、AIM-120がスパロー搭載機でも限定運用できるか?と言う話は、技術的には可能だけど実用的かどうか疑問が付くところです。(keened先生の方が詳しいと思います)
(参考: http://keenedge.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/f-15h009-c1dc.html

空自F-15Jでも、AIM-120は使用できる確認試験が行われたのは事実です。
シンガポール空軍のF-5S(F-5E近代化版)など、いくつかの機体でAMRAAMを使用できる機体があります。

デジタルデータバスMIL-STD-1553Bが搭載されてる機体であれば、だいたいは可能といえます。
ただそこまでするなら、素直に近代化改修した方が安上がりでしょう。
Posted by 管理人 at 2024年07月28日 16:53
暑い中更新お疲れ様です

ウクライナ空軍による巡航ミサイル対処は保有機材から推定しても世代落ちでほぼ改装が行われて居ないMiG-29MかSu-27が主体で
使用AAMも之また1世代古いR27での迎撃と言われている辺り
現場の苦労は考えたくないレベルの"偉業"の連続とも言えるのでしょうね……(むしろこの機材の差で未だ押し切れていないロシア空軍もロシア空軍とも言えるのはさておき

それはそうとネットの一部でAIM-120にはスパローが使用できる機体ならば応急処置として搭載可能となる
一種の後方互換能力があるとの説を耳にしましてペンギン氏は何かご存知だったりするでしょうか

何でも中間誘導機能を省き、直接ミサイルシーカーで敵機を捕捉したら発射可能、
言うなれば赤外線探知式の短射程AAMのように運用する機能との事なのですが
Posted by ROKETTO at 2024年07月28日 08:46
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