しっかりとした検証がされないままにブームは終焉する
チャンドラー 氏は「組織は戦略に従う」と言いましたが、
1970年代には、組織は環境に従うとする
コンティンジェンシー理論が世界で大流行しました。
環境適応論と訳す人もいましたが、
より正確に言えば、
組織の構造やシステムは環境状況によって異なる
と主張したのです。
代表的な論者であるイギリスの バーンズ氏と ストーカー氏は
1961年に変化率の小さな産業では官僚制的な機械的システム、
変化率な大きな産業では有機的システムが観られると主張しました。
同じくイギリスの ウッドワード氏は『 新しい組織 』(1965年)で、
生産システムによって組織の構造やシステムが異なると主張しました。
そしてアメリカの ローレンス 氏と ローシュ 氏が
『 組織の条件適応理論 』(1967年)でこうした先行研究を総称して
「コンティンジェンシー理論」という名前を付けました。
と言いても理論らしい理論ではなく、
当時普及しだしたコンピュータと統計パッケージを使って
アンケート・データを 多変量解析したものでした。
こうすれば論文になるという事だけが広く認知され、
それ以来コンティンジェンシー理論の論文は
山のように出現することになります。
しかしデータの収集の方法等のリサーチデザインが欠如し、
結局コンティンジェンシー理論で
何が言えたのかわからないままブームは終了します。
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