技術革新のきっかけになることも多い
前項で言及した モジュラー型では、
コンポーネント間の相互依存性が低くなっています。
こうした独立性・自律性の高いコンポーネントは モジュールと呼ばれます。
各モジュールは他のモジュールと
調性せずに独立に設計することができるので、
製品開発の分業が可能になります。
そのため、その気になれば、他を気にせず
そのモジュールだけをどんどん改良したり、
高性能にしたりすることも可能です。
こうして、製品アーキテクチャがよりモジュラー型に
なると、各コンポーネントの技術革新を促進することが多いのです。
こうしてモジュール化が進むと、
自社で全部のモジュールを開発・製造することはやめにして、
特定のモジュールに活動を絞り込んで特化し、
それ以外は市場から調達してしまったほうが、得策に思えます。
ところが、相互依存が低くなっているとはいえ
ゼロではないので、各モジュールで要素技術の技術革新が急速に進むと、
どこかの段階で、急にモジュール間の調整が必要になります。
この時はいろいろな要素技術の相互作用に関する知識が必要になるので
それまでにモジュラー型の製品アーキテクチャの利益を
享受して各モジュールに特化してしまったような企業では
お手上げになります。
これを モジュラリティの罠と呼びます。
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