いつまでももやもやしている動的能力概念
ティース 氏らの論文はなかなか出版されず、
結局、1997年に出版された論文では、
環境変化に適応するために自らの資産の
新結合を生み出す能力を 動的能力と
呼んだと理解されています。
ただ動的能力そのものに関する明示的な
定義・議論はありませんでした。
それ以降、 資源ベース理論の研究者が大量に参入し、
とりあえず「変化(動的)」「競争優位」「能力」
というキーワードをいれて、「動的能力に関係している」
と書くことが広く行われるようになりました。
2011年になって、 ヘルファット 氏と ウィンター 氏は、
業務能力、動的能力に加えて、両者に共通する能力も
存在することが混乱の原因にだと考えます。
業務能力を除いた純粋な動的能力だけを考えることにし、
それが観察される例として、ウォルマート、
スターバックス、マリオットのチェーン展開や、
新しい油田・ガス田の開発を例として挙げたのです。
このように純粋な動的能力が企業成長に
必要な純粋な能力であるとすると、
その主要部分は、かつて ペンローズ 氏が
『 会社成長の理論 』で考えた
「規模の経済性とは異なる成長の経済性」をもたらす能力
と同じである可能性が高いと思われます。
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