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2018年06月23日

細分化して絞り込んで位置付ける

マーケティングは3段階で考える

商品やサービスのマーケティング計画の基本は

市場をセグメントに細分化し(Segmentation)、

その中からターゲットを絞り込み(Targeting)、

そのターゲットのニーズに適合するように

位置付ける(Positioning)ことであり、

これをそれぞれの頭文字をとって STPと言います。



Sの セグメンテーション(市場細分化)は例えば、

年齢、性別、職業、所得、家族、教育水準、、、

といった人口統計学的(デモグラフィック)な細分化、

移住地域や就業・就学地域といった地理的な細分化。



Tの ターゲッティングは例えば、

「東京都港区に住む大学生」に対象を絞るのが基本でしょうが、

トヨタのような大手自動車メーカーともなると

フルライン政策といって、

各所得層に合わせた価格帯の車種を提供して

複数のセグメントを対象することもあります。



Pの ポジショニングは例えば、

「東京都港区に住む大学生」という

セグメントにターゲティングした場合でも、

低価格帯か高価格帯か、機能性かファッション性か、

商品位置付けは全く変わってくるわけです。

市場をどのように攻略するか

4つのツールを組み合わせる

どうやってターゲット市場を攻略れば良いのでしょうか。

一般的には製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、

プロモーション(Promotion)の 4P

マーケティング・ツールの組み合わせで市場を攻略します。



これを マーケティング・ミックスと呼びます。

要するに、どのような商品・サービスをどのくらいの価格で、

どの店舗・販売経路で販売するか。

そしてどのように宣伝し、販売促進していくかを決めます。



これが頭で考えられるほど

単純ではなく一筋縄ではいかない。

例えば経済学理論では、

価格が安いほど需要は増えるはずです。

そのためセールを行うのです。



しかし他方では、

高価格は高品質の意味するので

不用意に値下げをすると

ブランドを気づ付け、かえって売れないこともあります。

本物のブランド商品でも安すぎると

偽物なんじゃないかと思ったりしてしまいますよね。

より正確に予測するには、

このような シグナリング効果に基づく行動変化も

予測する 構造モデリングが行われたりします。



経済学の理論通り、値下げしたら爆発的に

売れたものの、原価切れして赤字になってしまっては

会社もつぶれてしまします。

そこでこれらの価格であれば売れるという価格を

先に決めてから原価をつめていく

原価企画 ターゲット・コスティングも広く行われています。

アイリスオーヤマの商品がお手頃価格なのは

ターゲット・コスティングがしっかりされているからです。

4Pの中の価格1つとっても、これだけ考えるべきことは多いのです。




〜4Pの特性〜

製品(Product)
多様性、品質、デザイン、特徴、ブランド、
パッケージング、サイズ、サービス、保証、返品

価格(Price)
標準価格、割引、許容度、支払期限、信用取引条件

プロモーション(Promotion)
販売促進、広告、販売力、広告・宣伝、直接販売

流通(Place)
チャンネル、流通範囲、品揃え、立地、在庫、輸送

どうやって顧客に届けるか

商品特性も流通チャンネル次第

4Pの中の1つである 流通 チャンネルについては、

例えば コトラー 氏の『 マーケティング・マネジメント

の言い方に従えば、 チャンネルの階段数です。

製造業者⇒消費者

製造業者⇒小売業者⇒消費者

製造業者⇒卸売業者⇒小売業者⇒消費者

製造業者⇒卸売業者⇒中売人⇒小売業者⇒消費者

といったように上から順に

0段階、1段階、2段階、、、と数えられます。

一般的に段階数が低いほど原価に近い値段で買うことが可能となります。



購買頻度の高い食料品や日用雑貨品などは、

身近なコンビニなどで反復して買う 最寄品です。

しかし、衣類や家具などは

お店を回って品質・価格・スタイルなどを見比べてから

購入するする 買回品になります。



さらに代理店やディーラーなどに行かないと

買えないような 専門品もあります。

ただし、これらも商品特性というよりも

流通チャンネルの問題であったります。

実際に従来は専門品であった化粧品も買回品だった衣類も、

コンビニやスーパーで売られるようになれば最寄品となります。



一般的に、最寄品は扱う小売店が多いので、

メーカーからすると、卸売業者を入れたほうが便利です。

逆の立場で大手コンビニチェーンからすると

卸売業者を排して直接取引したり

自前で販社を持ったりしたりして、

階層数を減らすことで流通コストを

削減することもありということになります。

商品と市場を「編集」する

品揃えと売場を市場に合わせて変える

小売店が、商品を仕入れて品揃えをし、売場を作り、

複数の売場を組み合わせて店舗を形成すること、

さらに在庫管理や市場に合わせて品揃えを変化させていくことを

マーチャンダイジング(MD)と呼びます。


要するに、商品の編集と売場の編集をするのが MDなのです。



例えば百貨店の伊勢丹では、 MD分類と呼ばれる

さまざまな切り口から作った基準に従って売場を作るそうです。

対象別・用途別・関心度別などの分類で

商品やブランドを集めて1つの売場を作り、

更に年齢の高い層向けのゾーンや

キャリア層向けのゾーンといった

ゾーンにまとめて店舗空間を構成しています。

こうするとお客さんも自分で売場を探しやすく

関連商品も一緒に買いやすくなり売り上げに影響を与えます。



総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂では、

商品をブランド・サイズ・色等々で細かく決めた単品で管理します。

こうして 単品管理にすると、 売れ筋

死筋が単品ペースでわかるようになります。

同じメーカーの同じ商品カテゴリーの中にも

売れ筋と死筋が混じっているし、

店舗が違えば売れ筋と死筋も違ってきます。

こうして店舗の売場レベルで

商品の編集をしていくのが単品管理なのです。
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