今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は高宮 まりプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/mn9b4JyPvCE
2023年3月2日 第2試合
南4局 1本場 供託リーチ棒1
東家 白鳥 翔 33600
南家 園田 賢 21200
西家 魚谷 侑未 19300
北家 高宮 まり 24900
(敬称略)
トップ目・白鳥さんは流局や横移動(他家同士のアガリと放銃)、3200点以下の直撃ならトップ。
二着目・高宮さんは1300−2600ツモ以上か満貫ロン以上、白鳥さんから3900以上直撃でトップ。
三着目・園田さんは満貫ツモ以上か跳満ロン以上、白鳥さんから6400以上直撃でトップ。
ラス目・魚谷さんはリーチ棒が出て満貫ツモ以上かリーチ棒が出て跳満ロン、白鳥さんから6400以上直撃でトップ。
※今回は園田 賢プロが牌譜検討で高宮さんに憑依していた内容を付け加えてお送りします。
◆ソノケンが思考を解説「高宮まり 四暗刻」
https://www.youtube.com/live/ABCtQ1BkSVI?feature=share&t=8197
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ 白鳥手牌
アガリを見るならトイツがありポンすれば役ありになりますが、愚形受け入れが多く形が良いとは言えません。(や)
二着目に1300−2600ツモで逆転されてしまう状況なので少し点差を広げたい状況です。
ツモ 打
次に南家・園田さんの手は
ドラ 園田手牌
ドラと赤が1枚ずつ浮いているメンツ手4シャンテン。
ドラが重なれば雀頭にして満貫狙いもできそうです。(リーチ・ツモ・ドラ2)
愚形受け入れが複数あるのでリーチのみになりそうな気がします。
ただターツが足りないのでスピードで他家に遅れる可能性があります。
ツモ 打
続いて西家・魚谷さんの手は
ドラ 魚谷手牌
こちらもターツが足りないメンツ手4シャンテン。
役を見るにもピンフが付くかどうかなのでリーチのみになりそうです。
ツモ 打
最後に北家・高宮さんの手は
ドラ 高宮手牌
既に1アンコ+3トイツとトイツ系の手が狙える形になっています。
ここから1枚切れば4トイツでチートイツ2シャンテン、アンコが増えればトイトイ、メンゼンでトイトイになれば三暗刻・トイトイのツモり四暗刻。
現在、まだ1メンツも無いのでメンツを見るよりもトイツやアンコを見る方が良い形です。(ただし受け入れ枚数がメンツ手より少ないのでテンパイスピードは遅くなりがち)
ツモを確認してタンヤオ・トイトイかチートイツのどちらにするか決めましょう。
ツモ ツモ切り
園田「翔ちゃんと8700点差(供託含めると7700点差)1300−2600条件、40符三翻以上!」
次巡、白鳥さんは
ドラ 白鳥手牌
ペン、カン受け入れが残りますが2シャンテン。
同巡、園田さんは
ドラ 園田手牌
ドラが重なり満貫の材料が揃いました。
後は残りメンツをマンズ・ピンズ・ソウズのどこで作るのか?が課題です。
同巡、魚谷さんは打、これを白鳥さんがポンして打。
ポン ドラ 白鳥手牌
これで1シャンテン。
そして高宮さんは
ドラ 高宮手牌
を払えばタンヤオにはなりそう。
次巡、高宮さんは
ドラ 高宮手牌
タンヤオ一歩手前。
次巡、白鳥さんは
ポン ドラ 白鳥手牌
ドラを引き、ドラを重ねるかマンズホンイツなら12000もあります。
更に次巡、白鳥さんは
ポン ドラ 白鳥手牌
これならマンズホンイツ、ドラタンキもあるか?
同巡、魚谷さんは
ドラ 魚谷手牌
やっと1メンツ完成の3シャンテン。
また同巡、高宮さんは
ドラ 高宮手牌
園田「この手牌、40符三翻にするのキツくね?
白鳥さんポンしてカンチャン払い、アガられても次局跳ツモ条件とか残ればいいな。」
次巡、白鳥さんは
ポン ドラ 白鳥手牌
ポンや、引きで進む手になり、これでマンズホンイツに決めました。
ここでアガれば次局、満貫ツモ1回では逆転されない点差になります。
同巡、魚谷さんは
ドラ 魚谷手牌
ピンフもありそうな2シャンテン。
また同巡、高宮さんは
ドラ 高宮手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
園田「来た!引きカンツモとかで1300−2600、リーチ・ツモ・タンヤオ40符三翻」
次巡、白鳥さんは
ポン ドラ 白鳥手牌
これで12000〜の1シャンテン。
同巡、高宮さんはツモ切り。
園田「マンズ白鳥さんに危ないけど受け入れ枚数で行きます!(切りカン8枚ロス、切りカン4枚ロス)」
次巡、白鳥さんは小考してツモ切り。
同巡、園田さんは
ドラ 園田手牌
打で引きでテンパイする1シャンテン。
園田「満ツモ条件の人が!ヤバいわ!
『チーして二着も良し』も考えなきゃ。」
ここで満貫ツモ条件の人がを切ってくる以上、「打点が足りている」「そろそろリーチするよ」の2つの意味でヤバイというわけです。
同巡、高宮さんは
ツモ 打 ドラ 高宮手牌
園田「どっちも受け入れ枚数同じ。
余ってる翔ちゃんに打てない!」
次巡、魚谷さんは
ドラ 魚谷手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
同巡、高宮さんは
ツモ 打 ドラ 高宮手牌
園田「2枚切れだし切り。
しかもポンしてツモったらタンヤオ・トイトイ・三暗刻トップ!」
場に1枚切れで重なりにくいのもあります。
高宮さんに必要な2枚、1枚、1枚、山に残っています。
次巡、高宮さんは
ドラ 高宮手牌
シャンポン待ち、リーチ・タンヤオ・トイトイ・三暗刻でリーチ!
園田「あら!?考える必要なかったわ!場況悪っ!マンズ高くね?
じゃあリーチして止まってもらいましょう!」
待ちは山に2枚、は1枚の合わせて3枚。
高宮捨牌
捨牌一段目から19字牌の連打でタンヤオを意識していたのがわかります。
一打目なのに後から打ということはのそば、特にを持っていそうです。(なら切りの矛盾)
またリーチ宣言牌も関連牌だと思われますが、入り目(テンパイ時に入った部分)と待ちの2つがあるので待ちの関連牌とは限りません。
次巡、白鳥さんは打、園田さんは打、魚谷さんは打と現物を抜き打っています。
園田「あらソノケンさんも向かって来れないのね。」
同巡、高宮さんは
リーチ一発ツモ ドラ 裏ドラ 不明 高宮手牌
リーチ・一発・ツモ・四暗刻、8000−16000の一本場、8100−16100。
園田「あらやだ一発ツモったわ!四暗刻だわ!裏ドラ忘れてたー(裏ドラ開示義務あり)
一本場も忘れてたー^^;でも私やりました!」
このアガリで
高宮 +78.2
白鳥 −2.5
園田 −26.9
魚谷 −48.8
唯一浮いていた(30000点以上)白鳥さんをマイナス域に叩き落とす鉄槌、役満が飛び出した一局となりました。
配牌〜局途中の時点ではただのタンヤオにも見えた高宮さんの手ですが、
ドラ 高宮手牌
白鳥さんの手と見比べると
ポン ドラ 白鳥手牌
白鳥さんのをと4枚持ちでスジ8枚の半分を、カンをと4分の3を一人で抑えています。
今局に限っては高宮さんが白鳥さんの手を進めないよう押さえつけています。
このように時々、スジの偏りで自然と相手のアガリを防ぐ現象が起こります。
ここから相手との力関係が計れる時があります。
試合後のインタビューで高宮さんは
「(うれしそうな表情ですね)ですね、ちょっ放送で役満(四暗刻)アガるのって初めてなので
うれしかったので許して欲しいです。
(一発ツモですしね)そうですね出アガリでも大丈夫にしたい、直撃の可能性もあったので仕掛けてたので
ただオリて欲しいというかアガリに行きたいのでリーチに行きました!はい。
でも、あの気を引き締めて次戦からも頑張っていきたいと思います。
応援よろしくお願いします!(がらくたポーズ)」
Mリーガーの皆さんを見ていて、一番変わったと感じるのが高宮さんです。
Mリーグが始まって最初の3年くらいは「狂気の押し」と称される程、強気の押しが目立っていました。
それがこの2022ー2023シーズンでは不用意な押しの割合が大きく減ったように感じます。
その上今まで見ない仕掛けも増えたのでご本人の練習量が増えたのかもしれません。
今回のまとめ
・縦ヅモと横ヅモの違いに敏感になる
高宮さんの配牌は
ドラ 高宮配牌
縦ヅモはトイツ(対子)やアンコ(暗刻)のように同じ牌が重なるツモを指し、(例:、、など縦重なりのツモ)
横ヅモとはターツ(塔子)やシュンツ(順子)になるものを指す。(例:、、など横並びのツモ)
高宮さんのツモはで、このうちが縦ヅモ。(は二枚目)
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