2021年09月16日

『火花』又吉直樹

著者 : 又吉直樹
文藝春秋
発売日 : 2017-02-10
主人公スパークスの徳永は漫才師あほんだらの神谷さんに弟子入りする。
売れない漫才師二人の生活の中で、
笑いを追求していく独特の世界を綿密に描き出していく。
二人のやりとりを通して、
笑いを追求し続ける売れないお笑い芸人の
深い世界を垣間見た気がした。

【Quotation 引用】
「趣味やったらね、趣味やったらそれでいいと思うんですよ。
でも、漫才好きで続けたいなら、そこを怠ったらあかんでしょ」

「ネットでな、他人のこと人間の屑みたいに書く奴一杯おるやん。
作品とか発言に対する正当な批評やったら、しゃあないやん。
それでも食らったらしんどいけどな。
その矛先が自分に向けられたら痛いよな。
まだ殴られたほうがましやん。」
・・・・
「だけどな、それがそいつの、その夜、
生き延びるための唯一の方法なんやったら、
やったらいいと思うねん。
・・・
でもちゃんと腹立ったらなあかんと思うねん。
受け流すんじゃなくて、気持ちわかるとか子供だましの嘘はいて、
せこい共感促して、仲間の仮面被って許されようとするんじゃなくて、
誹謗中傷は誹謗中傷として正面から受けたらなあかんと思うねん。
・・・
人を傷つける行為ってな、一瞬は留飲が下がるねん。
でも、一瞬だけやねん。
そこに安住している間は
自分の状況はいいように変化することはないやん。
他を落とすことによって、
今の自分で安心するというやり方やからな。
その間ずっと自分が成長する機会を失い続けてると思うねん。」


火花 (文春文庫) [ 又吉 直樹 ]

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感想(28件)


タグ: 又吉直樹
posted by 熊谷篤治 at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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