なにやら妖しいタイトル。原題は、「The Beguiled」。
ただ、邦題の「欲望のめざめ」は逆に矮小感があってちょっと本質を外した感じも。
この映画の見どころは、シチュエーションの面白さ、全体の映像、そして登場人物のさまざまな個性が際立って物語が進むところです。
あらすじ・物語の背景
アメリカ南北戦争時代、南部の静かな森にある女学園で起こった出来事。
寄宿舎には園長のマーサ・ファーンズワース (ニコール・キッドマン) 、教師のエドウィナ・ダブニー (キルスティン・ダンスト) 、そして帰省せずに残っていた女生徒5名。
森のキノコ採取に出かけた生徒の1人エミリーは、戦線を離脱した負傷兵ジョン・マクバニー伍長 (コリン・ファレル) を発見します。
治療してあげようと、急いで宿舎に連れて帰ったのはいいのですが、男子禁制の学園で、しかも敵方の北軍の兵士を結果的にかくまうことになってしまいます…。
あらすじ・ここが見どころ
(引用:
https://www.facebook.com/BeguiledMovie/ )(前列中央は監督のソフィア・コッポラ〉
◇手厚く治療される伍長
女性ばかり7人のところに担ぎ込まれたマクバニー伍長。
マーサ園長は、キリスト教の慈悲の精神で傷が癒えるまで、みんな協力して伍長の治療に当たるよう指示。
しかし、伍長は感謝する一方で、いつ南軍に引き渡されるか気が気でありません。
当初は、お互いに疑心暗鬼でしたが、それぞれの人柄がわかりはじめ次第に打ち解けていきます。
◇緩み始める学園の秩序
しばらくすると、学園内に微妙な変化が現れ始めます。
それは、若い男性を間近で世話をする女性たちの視線に変化が出てきたこと。
また、伍長自身も回復するにつれ、学園の女性たちに興味を持ち出したことでした。
その結果、園長の元、規律正しく運営されていた学園の秩序が次第に緩み始めたのです。
◇伍長に媚びを売る女生徒たち
伍長が元気になり出した頃には、全員で食事会が開催されるようになります。
若い女生徒たちは伍長のことが気になって仕方ありません。
一番年長のアリシア (エル・ファニング) は特に積極的です。そして、生徒どころかエドウィナ先生も気持ちが抑えられません。
そんな雰囲気を察したマーサ園長は、自制させようと厳しくしつけるのですが、園長自身も伍長に接する態度が明らかに違ってきたのです…。
クライマックスからエンディングへ
(最後のネタバレなし)そんなある晩、事件が突然に起こります!
どうも伍長が自分の部屋から抜け出し、積極的だったアリシアの部屋に忍び入っていたようです。
見つけたのはエドウィナ先生!先生は伍長が自分の部屋に来てくれるものとばかり思っていた矢先に遭遇!
暗闇の中で動転しぶつかる二人。そして、伍長は弾みで階段から落下してしまうのでした!
感想とおすすめ度
最後のドンデン返しでは、静かだった女だけの寄宿舎が「恐ろしい館」に変わっていきます。
騒ぎを聞き駆けつけたマーサ園長。再び負傷した伍長の治療に当たるのですが、彼女は平和な学園を取り戻そうとある決心をするのでした。
一体、なにを決心したのか、最後まで楽しめる出来上がりでおすすめです!
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