最近ではイギリス首相選挙、また来年のアメリカ大統領選挙など、特に国のトップを決める選挙は海外のこととはいえ、なにかと話題になりますよね。
しかし、その中身はどこでもやられていそうな、「選挙参謀」による「勝たせ方」の話なのです。
現実世界の選挙と重ねて観ると、なかなか興味深いものがあります。
きっと、「あるある!」をあちこちの場面で見つけるに違いありません。
主演は、ベテラン女優 サンドラ・ブロック 。その辺りを、彼女がコミカルにしかもしっかり見せてくれます。
サンドラ・ブロック主演参考映画:『オーシャンズ8』
こんな選挙の「あるある!」が背景?
主人公ジェーン・ボディーン(サンドラ・ブロック)は、選挙の参謀を生業とするコンサルタント。
今回、彼女が依頼されたのは、ボリビア国の大統領候補であるペドロ・カスティーヨ氏(ジョアキム・デ・アルメイダ)の選挙戦。
ジェーンがカスティーヨ氏の写真を最初に見せられた時、「あら、変わったヘヤスタイルね!」という程度の印象。彼を支援する政治思想的な背景はまったく見当たりません。
あの手この手を駆使し、事前の下馬評では第3位程度の評判しかなかったカスティーヨを勝たせることに挑戦するのです。
それって「選挙の勝たせ方」なの?
(引用:
https://www.facebook.com/OurBrandIsCrisisMovie/ )
◇支持率8%の最下位の候補者
投票日まで残り約3ヶ月の時点の世論調査では、圧倒的トップはリベラ候補で支持率は39%。
(これって、イギリスのボリス・ジョンソンの事前の指示率と偶然にも一緒!ご存知のようにジョンソンが当選しました。)
それに対して、カスティーヨ候補は間にもう1人を挟んで、第三位の8%しかありません。
ここから、ジェーンは知恵を絞って立てる作戦の結果に一喜一憂。
ジェーンが、あまり勝ち目のない候補者の参謀を買って出たのは、ちょっと理由がありました。
◇ライバル参謀との怨念の過去とは?
ここがいかにも、コンサルタント側から見た選挙戦らしい発想です。
つまり、最有力候補のリベラの選挙参謀が、これまで幾度となく戦ってきたライバル、パット・キャンディ(ビリー・ボブ・ソーントン)だとわかり、彼女の闘志に火が付いたというわけです。
しかも、ジェーンはここ何度か彼に敗れており、候補者から「疫病神」の異名をもらうほどでした。
巻き返しを目論むジェーンは、勝つためには何でもありとばかりに作戦を立てます。
◇「有権者のダマし方教えます。」では?
たとえば、日本の選挙ではあからさまに出てこないネガキャン(ネガティブキャンペーン)。
ジェーンは、ライバル候補のスキャンダルなどを突いて、結果的に評判を落とすやりかたをも展開します。
しかし、相手側も違うスキャンダルで対抗。この映画、「コメディ」というジャンルで括られることもあるのですが、この応酬合戦はこっけいでなかなかの見もの。
これって、「選挙の勝ち方教えます」というより、「有権者のだまし方教えます」じゃないの?と思うほどです。
ジェーンが打った起死回生の作戦は?
(最後のネタバレなし)場面は変わって、各候補者が集合して持論を展開する討論会。
終わった直後、カスティーヨは反対候補の参加者と思しき人物から目の前で生卵をぶつけられるという事件が起こります。
突然のことに、カスティーヨは相手を殴打してしまうことに!
いくらなんでの殴り返したらダメだろうと、困ったスタッフは謝罪文を準備することに。
しかし、ジェーンの取った作戦は「得体のしれない暴漢」に敢然と立ち向かう「強い候補者」イメージを展開したのです。
混迷を深めるボリビアを救うのは彼しかいないと言わんばかりに宣伝するのでした。(東南アジアの某国の大統領を思い出しますネ。)
ジェーンの作戦は当たり、そこには少しずつ支持率を上げていくカスティーヨ候補がいるのでした。
kazemichのおすすめ度
ぜひご覧ください。クライマックスでは、ジェーンの取ったさらなる作戦に最後は胸のすく思いがします。
(引用:
https://www.facebook.com/OurBrandIsCrisisMovie/ )
■サンドラ・ブロックがお気に入りになる? ★★★★☆
■2時間の値打ちはあるの? ★★★★☆
■エンディングの爽快感は? ★★★★☆
■なんとなく「選挙」がわかった! ★★★☆☆
エンディングでは彼女が単なる策略家ではない、本当の心情がわかりちょっと嬉しくなる映画です。
感想(2件)
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