ルーニー・マーラ にこんな役をやらせると、なぜこうもピッタリ来るのかと驚くほどの適役。
参考: ルーニー・マーラ主演作品『キャロル』
二度と帰らない時間に、切ない、やるせない、なぜそうなってしまったの?と震える気持ちを彼女の一点を見つめた表情が如実に物語ってくれる、そんな映画が『ローズの秘密の頁』(The Secret Scripture)です。
精神病院で40年間を過ごしてきた主人公ローズ。
病院の老朽化で引っ越すこととなった彼女を、転院に際して再診をしたのは精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)。
ローズの差し出した聖書の余白に綿々と書かれた記載から、驚愕の事実を知り愕然とするのでした。
ローズを「色情狂」とした暗い過去
入院前後の若い時代をルーニー・マーラ、そして年老いた時代をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じます。
どちらも名優ですが、特に濡れ衣を着せられたまま精神病院で隔離される若い頃のローズを演じるルーニー・マーラには引き込まれます。
ローズが無理やり精神病院に入れられることになった理由は、なんと「色情狂」。そして、40年間もの間病院を出られなかった汚名が「我が子殺し」。
そこには、第二次大戦の最中の、閉鎖的なアイルランドの片田舎の出来事という背景が大きく影響していました。
40年後にわかる運命の出会い
(引用:
https://www.facebook.com/rosepagemovie/ )
◇閉鎖的な田舎で起こったこと?
映画では、年老いたローズの40年間の歴史がフラッシュバックしていきます…。
家の事情でやむなくアイルランドの叔母の家に引っ越してきたローズ。
都会からやってきた美人の彼女は、田舎町では目立つ存在となり男からしばしば声を掛けられることに。
しかし、女性が目立つことを好まない町の人たちは、ローズの方から男を誘っているとしてしまったのです。
町の教会のゴーント神父(テオ・ジェームズ)にいたっては、「この町で男の目をみていいのは妻だけだ。」と忠告するほどでした。
◇町外れに隔離されて行くローズ
その一方で、ローズに興味を示しなんとか近づこうとしたのはゴートン神父自身でした。
神父にあまり気がなく、彼を避けようとするローズ。これが後になって神父の反感を買い、ローズを精神病院へ送るきっかけを作ることになるのです。
町中ではどうしても目立つ存在となったローズを見かねた叔母は、ローズを町はずれに隔離して住まわせることを決心。
ところが、ここが運命の場所となることに。
ローズが以前から憧れていた、町出身の戦闘機パイロット・マイケルと出会い、逢瀬の場となったのです。
◇最愛の男性を失った結果…
町外れの一軒家で、一旦は幸せに暮らすことになった二人。
しかし、英国籍のパイロットだったマイケルは、不幸にも英国を敵扱いするIRA(アイルランド共和軍)に発見され、殺されてしまうのです。
そこに登場したのがあのゴーント神父。
マイケルを匿ったことを責めるとともに、二人の行状に嫉妬するかのような行動に出たのです。
マイケルの死を狂ったように嘆き悲しむローズを見て、彼はローズを「色情狂」として地元の精神病院へ収監させてしまったのです。
精神病院での発覚した妊娠〜クライマックスへ〜
(ネタバレなし)精神病院へ強制収監された後、ローズをさらに不幸が襲うことに。
マイケルの子どもを妊娠していたことがわかるのですが、病院では産んでも一緒に住めないと言われます。
出産が間近になり夜中に病院を抜け出したローズの行先は、真っ暗な海岸沿いの洞くつ。
そこで彼女は自らの手で「我が子殺し」をしてしまったのだと…。
さて、シーンは戻って冒頭の再診場面。
担当のグリーン医師が、ローズが病院に収監された過去の経緯を確認しようとした時、彼女は擦り切れた聖書を見せます。
そこで医師が目にしたのは、聖書の余白にびっしりと書かれた文字。
40年間のローズの悲痛な叫びが綴られていたのです。
kazemichiの感想とおすすめ度
悲しすぎるストーリー。しかし、最後の予期しないエンディングにちょっと救われます。
涙を抑えきれない結末 ★★★★★
ゴーント神父の残したものに納得 ★★☆☆☆
ルーニー・マーラはやっぱりイイ! ★★★★★
ヴァネッサ・レッドグレイヴの老練度 ★★★★★
アイルランドの当時の事情が難しい ★★★★☆
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