ミステリー映画『ねじれた家』は、 アガサ・クリスティー原作の小説を映画化したものです。
彼女は世界的に有名な推理小説家で、書いた小説は何度も映画化される人気作家。
推理小説を映画化するのは、登場人物の微妙な心理描写から最終のタネあかしまで、よほどうまくシナリオを作らないと鑑賞者の頭がついていきません。
そんな中で今回紹介する『ねじれた家』は、ミステリアスな人物たちを手際よく登場させ楽しませてくれます。
誰が怪しいか、もちろん誰が犯人かをワクワクしながら、 アッという間に最後のドンデン返しまで導いてくれます。
■アガサ・クリスティー、自ら最高傑作と語った小説
(引用:公式サイト https://nejire-movie.jp/about.php )
左:探偵チャールズとソフィア 中央上:大叔母イーディス 中央下:長男夫妻 右上:次女ジョセフィン
アガサ・クリスティーが小説で仕込んだ犯人は、今回も意外な人物で鑑賞者としては大満足でした。
ちなみに、彼女はこの作品を自ら 最高傑作のひとつに挙げています。
「意外な犯人」というのは、私がそう思うだけで聡明な鑑賞者は推理できるかも?
もちろん、ネタバレなしで映画紹介していきますので、文章に惑わされずに最後までお読み下さい。
舞台は、大富豪一家の住む屋敷。
ある夜、ここの主 アリスタイド・レオニデスが薬殺されるところから物語は始まります。
■同居する、すべての家族にかかる疑い
◆孫ソフィアがかつての恋人に探偵を依頼
「ねじれた家」 (原題:Crooked House)の通り、屋敷に住む家族9人はいずれも屈折した人間ばかりでした。
最初は家主の死に方に不審な点がなく事故死と片付けられそうになります。
しかし、誰かが故意にやった「薬殺」と決めつけ、犯人はこの家に住む誰かだと思ったのは、家主の孫娘ソフィア (ステファニー・マティーニ) 。
ソフィアは、かつての恋人だった探偵のチャールズ・ヘイワード (マックス・アイアンズ) に犯人捜しを依頼します。
しかし、考えてみれば依頼したソフィアだって、祖父と一緒に暮らす人間として、犯人でないとは言い切れません。
◆祖父が残した遺産に、興味を持つ連中ばかり
(引用: https://www.facebook.com/crookedhousemovie )
チャールズはさっそく家族9人と会うことに。
(先に家族構成を頭に入れておくと、映画の流れがよりわかりやすくなりますよ。)
家主アリスタイドの 長男フィリップ夫婦と 子供3人(ソフィアは長女)、 次男ロジャー夫婦、 後妻ブレンダ、 ソフィアの大叔母の9人。
チャールズは、家族全員が家主の死にあまり感傷的でないのと、本人の言い方とは別に遺産に対して何らかの興味があることに気付きます。
家族役の主なキャストを紹介しておきましょう。
映画の中での「ねじれた性格」を名優たちが見事に演じてくれます。
◆バラエティに富んだ個性のキャスト陣
(引用: https://www.facebook.com/crookedhousemovie :長男フィリップの妻マグダ:ジリアン・アンダーソン)
家を仕切るソフィアの大叔母イーディス役に グレン・クローズ 。
ベテラン女優の存在で物語に重厚感が出ます。
長男フィリップの妻マグダ役に、 ジリアン・アンダーソン 。
売れない舞台女優役でずっと酔っぱらっていますが、彼女は『X-ファイル』シリーズのスカリー警部で知られています。
後妻ブレンダ役に、 クリスティーナ・ヘンドリックス =トップ画像)。
妖艶な姿で、怪しさもひときわ目立つ存在です。
ソフィアの妹ジョセフィン役に、 オナー・ニーフシー 。
子役ながら、今作ではポイントとなる存在です。そういえば、 『マイ・ブックショップ』 でも重要な役割となりました。
■終盤まじか、逮捕された犯人は?
映画は、中盤まで登場人物の紹介と、 死んだ主との関係性が続きます。
犯人に行き着くためのネタ振りがしっかりされていますので目を凝らし、耳を澄ませて彼女・彼らのセリフを聞いてください。
そして、後半に入った頃、動かぬ証拠とともになんと「犯人」が逮捕されます!
まさか?いや、当然だろう!と鑑賞者にはさまざまな憶測が過ぎることに。
しかし、さすがミステリーの女王は次なる仕掛けを作っていました…。
映画の醍醐味はここから。ぜひ、最後のドンデン返しを楽しんで下さい!
■2020年秋の『ナイル殺人事件(仮題)』もお楽しみに!
アガサ・クリスティー原作の小説で映画されたものは他にもあります。
最近では、これも有名な 『オリエント急行殺人事件』 。
『スターウォーズ』 シリーズのレイ役、デイジー・リドリーも登場します。
探偵は、おなじみのベテラン、エルキュール・ポワロ (ケネス・ブラナー) 。
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そして、2020年秋公開で、同じケネス・ブラナーの 『ナイル殺人事件(仮題)』 が待っていますので是非、お楽しみに!
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