尚、小説風とはいえ、ノンフィクションでございます‥‥。
令和2年2月18日、夕方6時、35才の中年トヨは、連日の暴風から解放された少し穏やかな海を眺めていた‥。そう、彼はまた、こりもせず、エギングに来たのだ‥。
「よし、今日こそやってやる」中年トヨは、独り言を呟いた‥。
さっそく近くの防波堤から投げてみた。相変わらず不細工な動作だった。
エギが海底に落ちていく‥‥。中年トヨは、不細工にそれを待った‥‥。
どれくらいの時間が経っただろう。経験豊富なエギンガーならとっくにシャクリ始めていたかもしれない‥‥。ようやく中年トヨはシャクリ出した。1、ビュンッ!2、ビュンッ!3、ビュンッ!得意気に3回シャクってみた。
まるでニワトリが歩く時の様に‥‥外から見ればなんと滑稽なシャクリ方だっただろう‥中年トヨは、それを繰り返した。
その時、ぐぐっとラインが引かれた!
焦る中年トヨ。今まで経験した事の無い引きだった。ギリギリギリギリッ!音をたてながら重いなにかが引いていく。中年トヨはドラグを調節し、負けないようにリールを巻いた‥‥どんどん近づいてくる。
目の前に見えたのは大きなミズイカだった。おそらく3キロはあるだろう‥。引き上げようとしたが竿では上がらない。中年トヨの最近使われてない脳に一つの大誤算がよぎった‥。
「世の中には、こういう時の為に、ギャフという物があるらしい‥。」もちろんど素人の中年トヨはそんな物を持っているはずがなかった‥‥‥。
ラインを手に持ち、慎重に、慎重に引き上げていく‥‥。
五歳の息子を保育園に迎えに行った時、息子がこんな事を言っていた‥‥「お父さん、今日お金持ってる?近くのお店でお菓子とオモチャ買って」
小遣い前だった中年トヨはこう言った。
「ちょっと、あの‥、お母さんと来た時でいいかな」
なんとも情けない話だ。
「このイカさえ、このイカさえ釣れれば‥息子に腹いっぱいのお菓子くらい買ってやれる‥」
ゆっくり、慎重に引き上げていく‥‥。
その時!!ブチッ!
ラインが切れた‥‥‥。
悲鳴をあげる中年トヨ‥‥‥。
逃げていくイカ‥‥‥‥。消えていくエギ‥‥。
トヨは遠くの空を眺めていた‥‥‥‥‥。 完。
という訳です(笑)
この日はこんだけです☆
同情していただけた方は、下のお菓子詰め合わせを買ってください‥‥‥僕に息子のお菓子代という名のブログ収益を‥‥‥(笑)
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