「今日は何にする？」

「何が良いですか？」

「オムライス。」

「もぅ、翔にぃに聞くと、毎日オムライスになっちゃうよ〜。」

「・・・潤の作るオムライスが好きだから、いいじゃねーかよ。」

ちょっと拗ねたような、そんな表情をする、翔にぃ。

そんな翔にぃが可愛いと思う。

学校では、絶対に見ない姿だ。

学校からの帰り。

僕と翔にぃは、一緒に近所のスーパーによってから帰る。

夕食の食材を買う為だ。

今までも、僕が夕ご飯を作っていた。

母さんが、帰りが遅い事があったからだ。

その頃は、食材は母さんが用意してくれていたけれど、今は、翔にぃと一緒に買って帰るようになった。

「俺が、潤と一緒に買いに行くよ。」

翔にぃが、母さんにそう言ってくれたからだ。

父さんも、それに甘えていいんじゃないかって、後押ししてくれた事もある。

だから、食事当番は、平日は、僕と翔にぃだ。

・・・とはいっても、翔にぃは、作れないから見ているだけ。

買い物は、絶対に一緒に行くと言って譲らないから、一緒に当番になったのだ。

「今日は・・あ、キャベツが安いよ。」

「なぁ、アイス買ってかねーか？」

「僕はチョコアイスがいい。」

「潤は、チョコアイス好きだなぁ。」

「ふふっ・・だって、美味しいもん。」

「よし、俺はstrawberryだっ。」

「雅にぃのは？」

「雅紀は・・・このスーパーデラックスチョコミントだな。」

「これ好きなの？」

「雅紀は、スイーツは、基本何でも好きだ。だから、ビックサイズ。あ、 大野 先生程じゃないけどな。」

「 大野 先生って、僕の担任の？ 大野 先生は、甘い物好きなの？」

「いっつも、ケーキ食べて『はぁ、幸せ』って言ってるぞ。」

「へぇ・・・。」

和君、 大野 先生は、ブリトー以外にも、スイーツが好きみたいですよ。

明日、早速教えてあげないと。

そう思っていると・・・

「なぁ、潤は、 大野 先生の事・・・」

「ん？」

「・・・好きなのか？」

「えっ・・・あ・・あのっ・・・ぼっ・・僕じゃないですっ・・」

突然の質問で・・・驚いちゃったから・・・

・・・翔にぃは、誰にも言わないよね？