呂不葦(りょふい)曰く。
『奇貨居くべし』
秦の始皇帝がまだ人質として過ごしていた頃、大商人・呂不葦がそう言って幼い始皇帝を全財産を賭して擁立した有名な言葉である。
奇貨(きか)は『珍しい品物』という意味で、『奇貨居くべし』は『大変珍しい品物なので仕入れておく』と解釈する。
他にも先見の明を伝える言葉はいくつかあるけども、呂不葦のこの言葉は博打めいた要素が含まれる。
僕が静岡に行っていた間に、馴染みのコンビニが二号店を出店した。
当然、スタッフも増える。
その中の夜勤組にイクルという子がいる。
働き始めた頃と今とでは印象が違っているらしいが、彼はとてもいい奴である。いい奴すぎて、いじられキャラである。
その彼とは週一日しか入っていないけれど、夜勤上がりには小一時間ほどくだらない話をする。
僕の方が6つほど年上になるのに、彼は時々『大人な意見』を言う。
以前にも増税で色々な値上がりがあった時の話。
「もうすぐタバコが値上がりしますね」
「ほんまやなぁ、いっそ禁煙しよっかなぁ」
「そうですね、いっそ禁煙しましょう」
う〜ん、と考え込む僕に問い詰める。
「では、どうすれば禁煙できますか?」
う〜ん、と考え込んで答える。
「例えば、吐息がかかる距離で可愛い女の子に、もとい、麻生久美子に居てもらう」
「ほう、それで?」
「タバコが吸いたくなったらキスをする」
イクル、失笑。
「いらっしゃいま…チュチュ…せ〜」
「あはははは、勤務中もですか!?」
「もちろん!!せやったら、禁煙は完遂できる!!」
「あははははは!!」
「あははははは!!」
「出ていって」
『馬鹿、捨て置くべし』
そんな店員、なんの価値も無い。
ごもっともです、イクルさん。
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2019年10月24日
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