『沈静なるは最もこれ美質なり』
呂新吾は『呻吟語(しんぎんご)』のなかで、君子の条件として『沈静な人は心がしっかりすわっている』と表現した。
とかく、大物はどんな状況であっても騒がない。
静岡で派遣をしていた時の話。
日勤から夜勤に移って約半年。
相変わらず忙しいけども、社員さんの判断をあおがずに作業の進み具合をみて、自分たちで休憩や終業を判断できる夜勤の自由さにすっかり馴染んでしまった。
食事休憩は21時前後と特に決まっていない。
夜勤の食事は副菜2品、メイン1品とそれぞれ冷蔵庫3台に納められていて各自で用意する。
日勤みたいにA定食B定食と選べないのが悲しい。
先日、物流課の配置換えで正式に夜勤勤務の人が入るまで、いつかの日記『 最後の聖戦。 』のAさんが特別対応になり夜勤に移ってきたので2人で食事休憩に入った。
いつものごとく食事休憩に入り、
いつものごとく社員食堂に入って、
いつものごとくおぼんと箸を手に取り、
いつものごとくお茶を淹れて、
いつものごとく白いご飯をよそって、
いつものごとく味噌汁を入れて、
いつものごとくメインのおかずの器を手にした。
手にして衝撃が走った。
メインディッシュ、
キノコご飯。
「…Aさん!!これはどういうことっすか!?」
「なんだこれ!?」
「どっちがおかずになるんですか!?」
「分からねぇよ!!どっちも食えってことかぁ!?」
「むしろ静岡県人はキノコご飯をおかずに白いご飯を食べるんですか!?」
「食べねぇよ!!!」
結局、僕のおぼんに乗せられた白いご飯とキノコご飯の選択肢について、2分ほどの話し合いの末、白いご飯を戻すことになった。
関西、特に大阪ではお好み焼きをおかずにご飯も食べるけど、社員食堂で『キノコご飯がメインディッシュ』なんてまさかのキラーパスが飛んでくるとは思わなかった。
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