THIS IS THE PAINKILLER
(これぞペインキラー)
HE IS THE PAINKILLER
(彼こそはペインキラー)
JUDAS PRIESTの『PAINKILLER』に収録されているタイトルトラック『PAINKILLER』の一節である。
音楽を愛する人なら誰でもリスペクト(尊敬)するミュージシャンやバンドがいる。
その影響は言動に、ファッションに、人生観にまで及んだりする。
音楽とは、かくも偉大なモノである。
古巣のコンビニで早朝のシフトに入ってた頃の話。
あるおじいちゃんが来る。
ひと昔前のサングラス。
見事に整えられたリーゼント。
顎の半ばまで伸ばされた幅広いモミアゲ。
遠目で見て彼がエルヴィス・プレスリーをリスペクトしているのが解った。足腰が弱いのか杖をついてる。
プレスリーのプリントがされた上下紫色のスウェットを見る限り、そのリスペクトっぷりは相当なものだと感じた。
プリントの具合からして市販されたモノではないと判断できたからだ。
おそらくおじいちゃんお気に入りの一枚をプリントしたのだろう。
僕にはここまでの熱はない、おじいちゃんの熱意にただ脱帽するしかないが…「ちょっとやりすぎてないか?」なんてツッコミが頭の片隅にある。
そんなツッコミも伝わるはずもなく、おじいちゃんが清算の為にレジに来る。
衝撃が走った。
スウェットにプリントされていたプレスリーはプレスリーではなく、おじいちゃんその人だった。目の前に立つサングラス・リーゼント・モミアゲ・杖…。
もうダメだった。
笑いを堪えようにも堪えられるはずもなく、鼻から空気が漏れながら死ぬ思いで読み上げ登録をして清算をした。
一緒に入っていた子に聞けば常連さんと言う。
とんでもない出オチである。
結局様々な想像が入り雑じり、そのおじいちゃんに免疫がつくことなく朝シフトは終わった。
THIS IS THE PAINKILLER
(これぞペインキラー)
HE IS THE PAINKILLER
(彼こそはペインキラー)
おじいちゃん、貴方のリスペクト・ソウルは誰に向けられてたモノですか?
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2019年10月15日
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