工場派遣で働いていた時の話。
たぶん明け方のことだと思う。
なかなか寝付けず、気がつくと、明かりの無い室内がぼんやり確認できるぐらいに夜が明け始めていた。
—もう朝か…
と思ったあとすぐに寝落ちした。
それから夢を見た。
何かに追われるような、堕ちるような…同じ一日を延々と繰り返してる場面もあった。
そして決まって最後に、とても濁った顔色の3人の女性の顔が重なっている場面になって、僕が見てるのに気付いて目を開くと最初の場面に戻る。
最初は繰り返される場面も彼女達も不快に思っていたけど、回を重ねるごとに彼女達との距離も近づき、彼女達の顔色がだんだんと腐敗していくように見てとれたので、とうとう恐怖心で満たされてしまった。
彼女達が目を開いたあと、唇が少し開いたぐらいに最初の場面に戻るようになってきた。
いよいよ彼女達の吐息が近く感じる距離までになって、彼女達の1人が口を開いて濁った声色で何かを吐き始めた。
—この声を聞いたらヤバイ!!
そう思った瞬間、弾かれたように目が覚めた。
壁側を向いて、身体の右を下にして横向きで寝ていたのだけど、寝返りを打とうしたら身体が動かない。
—金縛りか!?
何がなんでも振り返ってやろうと思い、渾身の力で首を起こしたところで全身に悪寒が走った。
—何か、誰かが、何人かいる。
そう感じた瞬間、左肩をパンパン!と叩かれた。
耳元でくぐもった低い声で何かを言われたけど、覚えていない。
その声が何かを言い切らないうちに、肩甲骨と肩甲骨の間の背骨に向かって何が入り込んできた。
ピンポン球ぐらいの液体とも気体ともいえない複数の何か。
痛みは無いけど、衝撃で身体が揺れる。
5秒くらいその状態が続いて、部屋の空間から違和感がなくなって寝返りを打った。
きっと夢の最中に目が覚めたので、身体と意識と感覚がバラバラになっていたのだろうと思い、一服したあと二度寝した。
その後は変な夢を見ることはなかった。
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2019年10月18日
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