2019年08月21日
実は危険!「布団に入ってすぐ眠れる人」
布団に入ってもなかなか寝つけない人がいる一方で、苦労もなくすぐに眠れる人もいる。しかし、すぐに眠れるから自分は健康だと思うのは、少々早とちりである。実は、そういう人ほど睡眠に問題を抱えている可能性があり、注意が必要なのだという。
□眠るまでにどれくらいの時間がかかりますか?
夜になると、私たちの自律神経は交感神経から副交換神経に切り替わる。また、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、さらに、深部体温が徐々に低下することによって、私たちは徐々に眠たくなるのである。
このようなゆっくりとした体内の変化とともに眠りが誘導されるので、健康で睡眠に問題のない人も布団に入ってから寝付くまでには通常、10〜20分くらいの時間がかかるものなのだ(※1)。
□あまりにすぐ眠りに落ちる人が危険な理由とは?
いつでもどこでもすぐに眠れるのだから健康に違いないと思っている人がいる。確かに、どんな環境でも寝られるに越したことはない。
しかし、すぐに眠ることができるという人ほど、実は危険な可能性がある。つまり、良質な睡眠がとれていないからこそ、また、睡眠時間が不足しているからこそ、すぐに眠れるだけかもしれない。眠気の限界まで起きているから、横になった途端にすぐに眠ってしまうのかもしれない。もしもそうだとすると、こういう人ほど睡眠に気を遣い、より良い睡眠を心掛ける必要がある。
□すぐに眠りに落ちる 特技と思ったら大間違い
考えてみれば、1分で眠れることほど恐ろしいことはない。電車ですっと寝込んでしまう程度なら、駅を乗り過ごすくらいのことで済むだろうが、例えば、車の運転をしていたら、居眠り運転や重大な事故にもつながりかねないだろう。
すぐに眠るというのは「気絶」に近い状態とも言え、とても危険な状態だ。家に帰ったら布団にバタンキュウという人は、自身の睡眠を見直す必要があるだろう。
□かくれ不眠とも言われる、自覚症状がない危険な不眠症とは?
自分は十分に睡眠時間をとっていると思っていても、質の良い睡眠が得られていない場合がある。最近では「かくれ不眠」などと呼ばれることもある。
例えば、睡眠時無呼吸症候群は眠っている間に何回も呼吸が一時的に停止し、その度に眠りが浅くなるので不眠の原因になる。睡眠時無呼吸症候群は自分では気が付かないことが多い。家族やパートナーから、大きなイビキを指摘されたことがあるならば、特に注意が必要である。
布団に入ったらすぐに眠ってしまうという人や、たくさん眠っているつもりでも、朝起きてスッキリしなかったり、日中に過度な眠気によく襲われたりする人はいないだろうか。睡眠時無呼吸症候群だけではなく、何らかほかの理由で不眠状態になっているかもしれないので、一度、病院を受診することをお勧めする。
□「朝スッキリ目覚められるか」だけでもわかる睡眠の質
今のところ、睡眠を改善するための即効薬はない。また、質の良い睡眠がとれているのかを知る客観的な方法もない。
しかし、不安に思うことはない。睡眠が十分にとれているのかを知るには、基本的には自分の体の声に耳を傾けることが最も大切なのだ。朝スッキリと目覚め、「あーよく寝た!」という気持ちで起きられるかどうかは、非常に重要なバロメーターだ。
そして、より良い睡眠を得るためには、規則正しい生活、運動、食事、ストレス解消など、常日頃からの心掛けも重要である。