米ウィスコンシン大学マディソン・ウエイズマンセンターの心理学者ウェン・リー教授が『The Journal of Neuroscience』で発表した論文によると、人間は不愉快になる写真や、“自動車事故”や“戦争”などの言葉を見るだけで、嗅覚が刺激される。それによりニュートラルな匂いが不快な物へと変化し、負の感情の一つである「不安」が想起されるのだという。また、その逆も起こりえるのだそうだ。
同教授によれば、こういった現象はこれまでの調査でも確認されており、2005年にJournal of Eating Disordersに掲載された研究では、ダイエット中の被験者とダイエットをしていない被験者にチョコレートを食べてもらい、その後あるタスクをこなしてもらったところ、ダイエット中の被験者は食べたばかりのチョコレートのカロリーばかりを考えていてタスクをこなす効率が著しく悪かったとの結果が出ている。また、アトキンスダイエットのようなシンプルなダイエットは続けられるが、ウェイトウォッチャーズのような複雑なものが長続きしないのも、脳の働きが鈍くなることに関係しているそうだ。