それでも「黒革の手帖」「ハロー張りネズミ」「ごめん、愛してる」など思わず見てしまうドラマはあったと思う。
「黒革の手帖」は何と言っても武井咲の魅力であった。普段、CMなどで見かける彼女からは感じられない劇画的魅力があった。また、仲里依紗も良かった。汚い欲望が剥き出しの人間像を演じ切っていた。さらには伊東四朗の存在感が素晴らしかった。この方は何を演じても様になってしまう。
「ハロー張りネズミ」は「探偵物語」を彷彿とさせるハードボイルド人情劇で良かった。こういう作品はもっと増えて欲しい。スタッフワークも良かった。俳優陣も良かったが特に深田恭子の深田恭子ならではのフォトジェニックさが炸裂していた。洒落た最終回ラストも最高だった。是非、このスタッフ、メインキャストで続編または映画化を望みます。
「ごめん、愛してる」は不思議なドラマであった。なかなか話が進行しない。「ボケチン」「りつ」を何度聞いただろうか。俳優陣のそれぞれの表情もバリエーション少なく、貫き通していた。ある意味、難しい芝居だと思う。池脇千鶴、良かったなあ。最終回の呆気無さは見た人がそれぞれ何かを思うことだろう。
3作品とも、生きている中で報われない思いをしている人物が多く登場してくる。人は人にどう向き合い、どう支え合うことができるのか、そんなことも考えた。
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