映像と環境音と自分の声のハーモニー。少し大貫妙子の声も思い出すmi-farの「take me far」。
木下亮監督短編映画では静謐の中の女性の目覚めにハッとする。写真のようでもありながらパンする不思議。
みるみられる「carrier bag」(作・演出:上田晃之)はこの世にいるのかあの世のことなのか、それとも記憶の中なのか、想像を膨らませた。路上の誰かとすれ違い、時には素通りし、ある時は声をかける、そして誰かに自分を重ねる。都市ならではの風景も感じる。
しかしながらもう少し人間の生気や色気は感じたかった。
シマダタダシ、高橋卓郎によるパフォーマンス「Sea Shore」。シマダタダシのダンスが変わらず素晴らしい。
まるで人形のようでもあり、一定の重力に逆らう感覚を味わう。冬だからこそいつかの夏の思い出が聴こえてくる。たとえばクーラーが無ければ窓を開けるしかない。開けたら開けたでさらに暑くなる。それを凌ぐには冷蔵庫のサイダーが必要だ。しかし、それでは夏の暑さは消えない。宇宙からのノイズか、アンテナがいかれたラジオのせいなのか。海岸の花火は遠過ぎて音だけしか聞こえないのである。
そんなことを思った。
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