特に、
最後の 寅さん の
満男への台詞は
すばらしかったと思います。
シリーズ末期の作品の中では傑作だと思います。
ラストの少年と 寅さん の別れのシーンが感動的でした。
何回か見ているうちに
だんだんと好きになってきた作品です。
ドタバタ劇もほとんど無く
かなり淡々とした異色作でした。
シリーズもこの辺りになると、
もう喜劇という印象は薄くなっており、
人生の哀歌と言うか、
ペーソスの映画になっているようです。
寅さん の哀れさ、
寂しさを感じ、
しんみりした心持ちにさせる一篇でした。
御前様の 寅さん への台詞・・・
▼▼▼
『良かった、良かった。 仏様は愚者を愛しておられます。』
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特に、
最後の 寅さん の
満男への台詞は
すばらしかったと思います。
▼▼▼
満男 「おじさん、人間ってさ」
寅さん 「人間?人間どうした?」
満男 「人間は何のために生きているのかな?」
寅さん 「うん、まぁ、難しいこと聞くなぁ。
えー、何ていうかな、ほら、
あぁ生まれてきてよかったなぁって思うことが
何べんかあるじゃない。
ね、その為に人間生きているんじゃないのか?」
満男 「ふ〜ん」 (納得したようなしていないような微妙な表情)
寅さん 「そのうちお前にもそういう時が来るよ。
うん?まぁ、がんばれ、な!」
(と満男の肩をポンと叩き、一人駅に向かう悠然とした後姿)
その後のシーンで 寅さん が
「人間は何のために生きているのか」と
仲間の一人に尤もらしく問うという、
いつもの受け売りパターンがあり、
先ほどの満男との会話もパクるのかと。
でも、いいシーンでした。
マドンナについては、
今回、マドンナというほどの出演時間ではなかったですが、
一晩一昼限りの出会いと馴れ合いながら、
隆子を演じた 秋吉久美子 の存在が
暖かくもあり淋しくもあり、
寅との相性の方も良さげですごくよかったです。
旅先で 寅さん と出会った次の日にはもう別れてしまう。
恋と呼べる関係に発展する事も無く、
寅さん が首を突っ込む若い二人の恋も無い。
しかし旅の中のごく短い間でしたが
この二人の関係はいい味がありました。