ハイネの森

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父の紀行文

(37)

2010.05.19

あらざらむこの世のほかのおもひ出に
　　　　　　　　　　　　　　　今一度の逢ふこともがな　　　　　　　　　　　
和泉式部

最初のだんなさんは和泉守橘道貞。

名前の和泉式部はそこからきているようで、最初というからには次のだんなもいるが、その他にも色々と浮名を流したようで、かの紫式部に「あの人の和歌はいいけど、男関係はなってないじゃん」と言われたこともあるくらいだったようだ。

墓も長野、山口、京都に兵庫と、いったい和泉式部は何人いてんねん！　とツッコミを入れたくなるくらいで、伝説だらけの人だが、そこは名前が『和泉式部』、和泉の国にいたことがある可能性はひじょーに高い。

なのでちゃんとあります、〈和泉式部ゆかりの地〉。

じゃーーん！　これだっ！！

水たまりデスカ・・・

石碑には『恋の淵』とあります。

近所に『恋ざめの淵』もあり二つでセット。

いい男(金持ち)が現れると『恋の淵』で顔を洗って勝負にでて、男にお金がなくなると『恋ざめの淵』で顔を洗って恋心を冷まして別れる、という伝説の場所。

こんな伝説を作ってしまわれた和泉式部も気の毒・・・

先日の〈小野小町ゆかりの地〉に比べてなんとも味気ない写真だが、この場所は一般の御宅に囲まれているため、これ以上レンズを上げると、よそのお家の裏をまともに覗いている写真になるのでどうにもならない。

このあたり(岸和田市上松町)には湧き水が多く、それに名前をつけたのだと思われる。

和泉の国の国府はここより約５km小栗街道を北に行ったところ、和泉市府中町にその跡が確認されいるので、和泉式部の行動範囲内ではあったかもしれない。

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