ハイネの森

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2014.10.21
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契りおきし させもが露を 命にて
          あはれ今年の 秋もいぬめり

藤原基俊


美しき言葉が並んでいるので、耳に入ってくる音は心地いいけれど、
解説を読むと爆笑ものの一首。


「うちの息子にさあ、いい役をつけたってと頼んでたのに、今年もアカンかったってどないなってんねん! 約束ちゃうやん、忠通さんよぉ

意訳すると、こんなふうかな。

現代のモンスターペアレンツの皆さんも、これぐらいの風流さを心得たクレームをつければ、クレームも芸術の域に昇華されますことよ。



舞台はこちら興福寺。

興福寺

アットホーム感漂う般若寺の次に訪れると、威厳にノックアウトされそうになりますわ。
いい仕事する規模は小さい東大阪の町工場に行った後に、淀屋橋の大会社へ営業に行ったような気分。(営業したことないけどさ)


藤原基俊が、息子である僧都光覚が興福寺の維摩会(ゆいまえ)に講師として招かれることを、講師決定権のある一族のボスの藤原忠通にいつもお願いしているのに、今年もまた選からもれた。息子の出世がうまく運ばなかったことを嘆いているお父ちゃんの歌。

私の持っている解説本には、「子を思う親の悲しみ」と表現されていて、そう言えば聞こえはいいけれど、「親ばかちゃんりん」系の歌に思えてしまう。1000年の時を経ても、人間って変わんないな〜と感じるのが、歌の面白いところ。


興福寺横の駐車場に料金1000円払って停めたので、少しゆっくりと境内を見ようと南円堂へ行ってみると、

興福寺 南円堂
南円堂周辺が何やら騒がしい。

奈良・京都へは、あまり下調べしないでふらっと行くので、全然知らなかったけれど、この日は特別な日だった。

興福寺 南円堂

一年に一度、南円堂が開扉される日。まさにスペシャルデー!

ちょうど1時に南円堂前にいたので、「大般若経転読法要」を見学した。
全600巻の大般若波蜜多経が50巻ずつ12箱に納められ、1箱をひとりの僧侶が受け持つ。まともに読んでいると50巻で丸2日かかるので、「転読」という方法を用いる。「転読」とは、折本経典を空中に投げ広げて経典を読んだことにすることで、奈良時代から用いられている方法だ。

パッと経典を空中に乱舞させるさまは激しく、僧侶たちの張りのある声とあいまって、豪快な法要だった。

  • 興福寺2.jpg


法要を終えて戻られる僧侶たちを見送ったら、南円堂の中へ入った。
法要直後の混雑の中、観音さまを拝んで清々しい気持ちに。

南円堂に入るには300円の参拝料がいるが、シューズバッグとして売店で220円で売っている小型トートバッグがもれなくつく。

  • 興福寺トートバッグ.jpg



ここに来たら、阿修羅くんにご挨拶しないと!
国宝館(入館料600円)へ入った。

  • 興福寺 絵はがき.jpg


阿修羅くんはもちろん、まん中の白鳳時代の仏頭もキリッとしてていいわ。


10月24日からは正倉院展が始まるので、奈良の一番賑やかな季節がもうすぐやってくる


♪         ♪          ♪           ♪

父の西国三十三カ所紀行文の興福寺の分を下書きして、4年以上そのままにしていた





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Last updated  2021.04.11 19:43:28
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