超サラリーMEN
(語り)
今から遡ること五年前。日大コーポレーションという大手薬品会社に吉田と北村という男たちがいた。
有名大学院を卒業した吉田は数々の新薬を発表し、優秀な成績を残す。一方高卒出の北村はというと・・・経費の無駄遣いと悪行の数々が日々エスカレートし、いつ首になるかわからないところまできていた。互いの立場は真逆だが、二人は中学時代の大の仲良しということでいつも一緒にいた。
しかし・・・
そんな二人の仲を引き裂く大きな事件が起こった。
この頃、世の中は世界恐慌の影響で不穏の空気が漂い、多くの会社が忽ちに倒産へと追いやられていた。もちろん、日大コーポレーションも例外ではなかった。
そしてある日、会社で大規模なリストラが行われた。もちろん、ってか当たり前だけど成績不振で悪行がやまない北村もその対象になったんだよね～。そりゃそうだわ～(いきなり軽い口調になる)
その報告を聞いた親友の吉田は激怒した。
「あいつが辞めるならおれも辞める」
吉田の猛烈な抗議により一時、北村は会社に残ることになった。
しかし・・・吉田が急な海外出張の間に北村は会社を去っていた。
吉田は理由がわからず、社長に問い正すと・・・社長の決定ではなく、実はバックに控える裏組織の幹部らによる決定だったことを知る。
吉田は抑えきれない怒りを社長に向ける。
数時間後、血まみれの社長室を出た吉田は自分のラボに向かい、超A級危険薬品をもって会社を出ようとする。
パパパパパパッ・・・。(銃声の音)
何者かの発砲により入り口付近まで出ることができた吉田は腹を抑え、うずくまってしまった。
その後、吉田は警察に捕らえられ、特別警戒収容所へと搬送されてしまう。
２０XX年。
吉田は再び蒼く広がる空の下にその姿を現したのだった。(本編へと続く)
© Rakuten Group, Inc.
