Double Short Vanilla Latte

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パート1




部下A

洗面所にて手を入念に洗う。

バスルームのノブに手を伸ばし・・・ひっそりと開ける。

部下Aは神妙な面持ちでノブをゆっくり回す。


「失礼します。」


「なんだ?」

北村は・・・


なぜか私服のまま湯船につかってそう答えた。


「今日のスケジュールの確認ですが・・・」

「午後2時から日本不動産の社長と打ち合わせ。

 午後3時から会社のパーティ。

 午後6時からトーマスと食事。

 午後8時から奥様の誕生パーティ。

 そして・・・・



 午後10時より・・・・例の取引です・・・・・。」


「そろそろ時間が迫っていますので急いだほうがよろしいかと。」


「お前に指図される覚えはない。」北村は傲慢にそう答えた。

「この会社の社長は・・・この俺だ。そうだよな?」

「・・・そうです。」

「そして・・・この会社を運営しているのもこの俺だ。そうだよな?」

「・・・そうです。」

「なら・・・今日のスケジュールはすべて変更だ!」

北村は、かなりむちゃくちゃな要求を部下に要求した。(現実じゃ考えられん・・・。)


部下Aは重たい唇をなんとか持ち上げ、

「・・・どういうことですか・・・?」




「今日は・・・狩りだ・・・。」




「・・・?」部下Aは神妙な面持ちで深く考え込む。

「今日は天気もいいしなぁ・・・・やりたい放題だ!」

北村は理由のわからんこじ付けをする。

「うらっ。銃だ!使って。」

なぜかおかま口調になる北村。


「・・・・狩り?・・・ですか・・・。」


部下Aは疑問が解けないのを言葉に残しながら、そう答えた。

「とっておきのな・・・・へぶっっっつ!!!」


顔を水につけたはいいが、思いのほか鼻に水が入った北村はくしゃみと咽せを同時にする。


「至急・・・・超サラリーMEN軍団を終結させろ・・・。」


北村はそう部下Aに告げ、浴槽の中へと身を沈める。


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