freedom~自由~

freedom~自由~

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~肝試し~




暗闇の中で、何も見えないまま手を握って俺たちは歩いた。
くじを引いたら、偶然こいつ、小島とペアになった。

俺って、皆から危なっかしげに見えるのかもしれない。
だから小島は俺の手を握ってくれたんだ。

少し、怖い。

湿り気の多い暑さの中に、妙な寒さを感じだ。
「小島・・・俺、怖い」
「はぁ~??こんなところが??濱野。」
小島は笑いながら言ったけど、俺に身体を少し寄せてくれた。
暑いのに、温かく感じるなんて。

風が、周りの木々を揺らした。
お墓の霊が騒いでるみたいに聞こえた。
とか、冷静には考えられなかった。

「わわわわわ!!!いる!!こじま・・・」
慌ててしまってみっともなかったけど、怖かったんだ。
だから、小島に抱きついたんだ。
やましい気持ちなんて、ない。
「・・・あ・・・」
顔をあげると、目の前に小島の顔があった。
NO.3ホストと同級生たちに歌われる、整った顔。
「濱野・・・・」
「・・・っ」
なんか、お化けなんかどうでも良くなるくらい、
俺の視界には小島で一杯になった。
なってしまったんだ。
「濱野」
もう一回名前を呼ばれると、唇に、温かい感触があった。
抱きしめられて、何も、小島以外、何も見えなくなりそう。

END


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