「過敏性大腸炎」または「過敏性腸症候群」



「過敏性大腸炎」または「過敏性腸症候群」


この「病気」は「病気ではない病気」です。
レントゲンや内視鏡でもって決定的な病因である
腫瘍が潰瘍が見つかるわけではなく、
機能的な概念から「疾患」として捉えられているからです。
腸自体には なんら問題がないのに、
腸が正常に機能してくれない・・・といった状態の事です。
どんな検査をしても、異常が見つけられないため
適切な治療や診断がくだる事はあまりありません。

この疾患の特徴は3種類あって、

(1)便秘型

腹痛があり、便意もあるのに実際トイレに行くと出ない。
または、出てもうさぎのフンのようにコロコロしている。

(2)下痢型

習慣性の強い下痢が続く。
時に便に粘液が混ざる事がある。
食事するたびにお腹がゴロゴロする。
または下痢をする。
下痢が続くわりには体重の変化はあまりない。

(3)便秘・下痢交互型

下痢・便秘どちらかの症状が習慣的に続く。
頻繁にお腹がゴロゴロする。
ガス(おなら)がたまりやすい。
(↑通常ガスは体外に排出される物だけど
なんとなく体内で音がするような気がする等)

それ以外の症状として訳もなく吐き気がしたり、動悸がしたり
脂汗が出たり(汗をかきやすい)頭痛や耳鳴りがする。
いっつも疲れているようなダルさがある。

等があります。

あたしの場合、(3)の交互型で、
ながぁ~い便秘の末、最初はウサギのようなコロッコロした便が
出たかと思うと、次の瞬間一気に下痢に変わる。
それがいつそうなるのかは、当の本人にも解らない・・・。

ただ、1つだけはっきりしているのは
極度の緊張や、重度のストレスを感じると
ものの数秒で一気にお腹が下る。

贅沢病とも取れるこの疾患は、厄介な事に
これから仕事という外出の前だとか、
今日の打ち合わせで会社の明暗が別れるとか、
この電車に乗らないと間に合わないとか、
目的地に早く着くためには、
通勤快速なり特急で行かなければならないとか、
交通の便宜上、混んだ道路を目の当たりにして、
混んだバスに乗らなければならないとか、
車で旅行に出かけて高速道路を使った。
「渋滞○km」という表示が見えた途端とか、
目や耳から入ってくる情報の他に、時間的、状況的に
そうせざるを得ない状況、また緊迫した事態の時に
あり難くない事に良く起こる。

症状としては、週末よりは週初めに出やすく、
退社間際の午後よりは、朝一の方が出やすい。

これは本来、食べた内容物を運搬する役割の腸の
「ぜん動運動」(逆立ちしたまま物を飲み込んでも
胃に収まるのは、食道がこのぜん動運動をしているからです)
が便通障害を起こし、腸の内部を刺激し症状が現れるためです。

というのも、胃や腸は脳とおなじ神経が走っているため、
脳同様「考える臓器」と呼ばれています。
さらに、胃腸と脳とは自律神経により繋がっているので
ストレスを受けたり感じたりすると、その自律神経を伝わって
胃腸に信号が送られるため、てきめんに便通障害が起こるのです。

過去、なんらかのストレスによって腹痛を起こし、下痢をした。
このような経験が引き金になってお腹に意識が集中するようになると、
少しの痛みや違和感をもすぐさま察知し、身構えるため
どうしても症状が悪化してしまいがちです。
ストレスや不安は痛みを認識しやすいからです。
1度の経験から、脳がこれから起こり得る可能性を推測して
判断してしまうため、即座にその判断結果が、自律神経を
経由して便通障害を悪化させることから
この病名がついたとされています。

対処法としては、原因は解ったわけですから
その原因を遠ざけてあげれば良いわけです。
と簡単に言いましたが、これがなかなか難しい。

暴飲暴食を避け、規則ただしい生活を心掛けるのは、
大体どの病気でも同じですが、この疾患の場合は
完璧主義者に多いので、性格を変えるほどに難しいのですが、
何事にも100%を求めず、7割ぐらいで妥協するクセをつける
のも1つの方法です。そしてなにより、

「ストレスをためない事(発散に勤める事)」

ストレスを感じない人などいないし、
悩みや不安がない人もいない。
自覚があるかないかの違いはあっても、
その発散方法、回避方法を網羅している人も少ない。

この疾患は精神的な事が大きく作用するため
薬などに頼って治療を考えるのではなく、
自分のストレスの原因の分析と、そのストレスの素と
なるものへの対処法を考える事が先決です。

これが一番厄介で難しい事なんだけど、出来る限り
ストレスを遠ざけてあげるよう勤める事が大事なようです。

極度の下痢型などの場合、最悪職務に差し障る事があります。
心配ならば、胃腸科の専門医に相談するのも良いでしょう。




© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: