再出発日記

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2008年07月06日
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カテゴリ: アジア映画(08)
寝ている犬を蹴とばすと吠えるだろう。
吠える犬は制裁しないといけない。
そうして、その犬を棍棒で殴る。
そうやって軍は
暴徒を鎮圧した実績を作りたかったのだ。


一般の市民にとり突然始まったかのように思える1980.5.18の市民弾圧のあと、ミヌたちはそのような意味のことを教会の牧師から説明される。

「光州5.18」を観た。岡山シネマクレールは一日一回、一週間のみの上映ということもあり、日曜に10分前に行った時には私が最後のいす席になってしまった。この映画館で立ち見が出るのは久しぶりである。

1006650_01.jpg
監督 : キム・ジフン
出演 : キム・サンギョン 、 イ・ヨウォン 、 イ・ジュンギ 、 アン・ソンギ 、 ソン・ジェホ 、 ナ・ムニ 、 パク・チョルミン 、 パク・ウォンサン 、 ソン・ビョンホ 、 チョン・インギ

2003年光州をぶらりと旅をした。主な目的は遺跡めぐりと食べ物めぐりなのだが、地元の観光パンフを手にとり、ふらっと「5.18国立墓地」にタクシーで行った。市内を30分ほど走ると、広い敷地に整備された墓地と記念館、抵抗する市民たちのブロンズ像などがあり、日本語が出来るかわいい受付嬢が迎えてくれた。「どうしてここを知ったのですか?」「光州に来た以上はこの事件のあとを見てみようと思ったんです。何が起きたのか知りたかった。「ペパーミント・キャンデー」という映画があったでしょ?あの映画でこの事件のことを知ったのです。」受付嬢はもちろん事件のことには詳しかったが、この映画のことは知らなかった。「なんか聞いたことがある」程度であった。「ぜひ一度見てみることをお勧めします。」と私はいらないおせっかいで言ったものだ。この旅のことは ここ で書いてあり、写真も少しだけ載せている。そこではこのように書いている。

韓国はほんのつい最近まで軍事独裁政権下にあった国である。第二次世界大戦後の南北分断、1960年以降の軍事政権下のあと1980年の光州事件でそれは頂点に達する。民主化運動を軍隊を使って弾圧しようとして、運動と関係ない市民も含めて多大な犠牲者を出したのが光州事件である。今は完全に当時の政府の処置は誤りとされ、犠牲者の墓地は「国立」として整備されている。長期軍事独裁政権を武力に拠らず、民主化運動で覆した韓国の運動の雰囲気を少しだけでも味わいたかった。バスセンターの観光案内所に行くと「光州広域市5.18宣揚課」が作ったカラー24Pに渡る日本語無料パンフがある。

5.18墓地に行くと20才、17才、15才等の墓が目立った。全員1980年5月18日前後に死んでいる。17才、15才は明かに「巻き込まれ型」の死亡である。体験館でドキュメントビデオを少しだけ見る。若者が大集会を起こし、そして整然とデモをしている。そしてその通りの向こうから戦車がやってくる。この墓地の入り口に立ったとき、受けつけのガイドの人が目ざとく見つけてくれて幾つか説明してくれた。なんと彼女は日本語が出来る。さすが国立墓地である。彼女の説明によると、「光州は金大中の生まれ故郷。当時でも民主化運動のもっとも激しく象徴的な都市でした。チョン・ド・ファン大統領はここを潰せば、全国の運動は下火になると踏んだのでしょう。」この事件に関わったチョン・ドファンとロ・テウ両元大統領が囚人服姿で法廷に並ぶ映像も見た。(日本でも「元首相」のこういう映像がながれても決しておかしくはない国なのだが)ドファンは終身刑、テウは18年の刑が下った。「でも今は釈放されて悪い事をしています。」「親戚にお金をまわして、自分は財産を持っていないと税金逃れをしたり…」ガイドの人とはバス乗り場でもいっしょになり、いろいろと話を聞いた。光州という土地ガらか、元大統領に対する目は冷たい。

12月2日(火)
朝が来た。三日間たまっていた(大)をする。すこぶる快調。(※)やはりキムチは凄い。博物館が開く9時まで、朝の散歩をする。道庁前の5.18広場は今は単なるロータリーでしかない。しかし1980.5.18はここは人でぎっしり埋まっていたのだ。身の危険を感じながらも数万の人たちが集まるという事はどういう事なのだろうか


※すみません。この文で不快に思う人もいたようです。私はたんに本場キムチの整腸作用は抜群であり、韓国の旅の特徴の一つだということを書きたかっただけなのです。

どれくらいのの墓があったのかは今では思い出せない。ショックだったのは、ちょっと歩いただけで、ここに書いているように10代の墓がいくつもいくつも見つかったということだ。もうそれだけで、軍は「暴徒鎮圧」のために殺したのではなく、市民もすべて無差別に殺したのだということが分かる。歴史的な事実の検証など全く必要ない。

映画では、私が朝に散歩した道庁前の広場が主な舞台になっている。あのように何度も市民と軍が対峙し、そしてあれほどの市街戦といってもいいほどの戦闘があったとは思っていなかった。後半は肉親を殺された「恨」のために、市民軍にかかわった人が多かったのだろうと推測される。もう一度あのロータリーを丹念に歩くと、銃弾の跡ぐらいは残っているのだろうか。もう一度光州を旅したくなった。

自然発生的な市民デモ。
そのことへの制裁をきっかけとする市民運動の過激化。
報道統制。
一部過激になった運動への軍隊での徹底的な弾圧。
軍隊による市民への暴力(棍棒で殴る、蹴る)。

それは光州市事件の特徴でもあり、そして今まさに韓国で起きているBSE牛肉規制緩和に発する市民のロウソクデモの特徴でもある。BSEの市民運動の弾圧も、まさに28年前と同じ道をたどろうとしている。1980年のときは、20年の長きの間、軍事独裁政権が続いていても、韓国市民は決して委縮せずに、あのような抵抗を試みた。もちろん勝機はほとんどなかった。けれども戦わずにはいられなかったし、アメリカの態度いかんでは、勝機はあっただろうと思う。翻って日本の場合はどうか。

すこし気をつけると日本でも既に同じようなことが起きている。 機動隊がデモ行進の前で自ら転んで不当逮捕したというのである。 日本の報道は何も伝えない。

映画のことを書くのを忘れた。中盤から最後に至るまで、観客の半数以上が泣いていたのではないか。たたみかけるように、感情に訴える映画作りは韓国映画の伝統芸である。少し型にはまる展開もあったけれども、俳優の力演もあり、いい作品だったと思う。





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最終更新日  2008年07月07日 07時43分07秒
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