amanuno 生活 

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入院


顔が真っ赤になり、熱がどんどん上がっていくちびころを抱きしめながら
「どうか、ただの風邪でありますように」
と祈っていた。
診察の結果、私の祈りもむなしく、やはり川崎病の可能性が高いので
詳しく検査するために、入院を余儀なくされた。

小児科病棟に案内され、ちびころは処置室へ。
その間、看護師さんから入院の案内と注意事項、病棟説明があったが
頭に入るわけがない。
処置室へ入っていった瞬間から、今まで聞いたことないような泣き声。
ちびころは、私が言うのもなんだが、ほんとに性がいい。
お腹がすいた時、眠たい時以外ほとんど泣かない。
そのちびころが、泣き叫んでいる。
1時間経過・・・
声を嗄らしながら、まだなお号泣しているちびころが出てきた。
その腕には点滴の針が。
私自身、いなか育ちで体は強い。大きなけがや病気はしたことがない。
入院はおろか、点滴だって出産の時が初めてだ。
まだ体の小さい子供の腕に点滴するのは、難しく
何度も刺された痕がある。きっと動けないように羽交い絞めにされたのだろう。
怖い思いさせてごめんね。

出てきそうになる涙をこらえて、疲れきったちびころを寝かし
入院準備のため、いったん自宅に戻る。
自宅までの車中、
「きっと大丈夫。いとこも今は皆元気。生活にも何の支障もない。
 今を乗り切れば、絶対元気になる。ちびころは出産の時も強かったもの」
そう、心に言い聞かせながらも
あふれだす涙をとめることができなかった。


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