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心にジンときた山本周五郎の作品リスト

s-0073.png両親の影響で小学校の時から読んでいた山本周五郎。
彼の作品はほとんどが短編なので、どの作品を読んだか忘れてしまう。
小学生の時に親から、これがいいから読みなさいと勧められた作品をもう一回
読みたくって、探しているのだけれど、なかなかみつかりません。
どの本を読んだか。またどの作品がよかったかを自分のためにも覚書します。
まだ彼のこれらの作品を読んだことがない方は、どうぞご参考にしてください。


s-0514.png 四日のあやめ
「ゆだん大敵」
主君に仕える武士はどうあるべきかが主題。
そのあるべき姿を通して、現代を生きる自分も、反省し、こうすべきだと
考えることが多々あり。
心にじーんと残った作品。
地味な毎日の生活の中にこそ、おろそかにしてはいけない大切な何かがあると
気づかせてくれた。

「契りきぬ」
これは悲しい愛の物語。
とてもきれいなお話だけれど、哀しい。
私が主人公だったら、きっと違う行動をとり、そしてこんなきれいなお話にはならなかったろう。


s-0514.png つゆのひぬま
「武家草鞋」
いつの時代も世の中というのは、うんざりするような物事がある。
それは現代だけでなく、江戸の世も同じ。
しかし、うんざりする世の中の自分も一員であると気づかされる。
周りが周りがと文句ばかり言っていてはいけないのだと、気づかされる。


s-0514.png 人情裏長屋
「泥棒と若殿」
その名の通り、あるお屋敷に泥棒にはいった男と、そこに住む主の物語。
泥棒がなかなかいい奴なんです。



s-0514.png 一人ならじ

「三十二刻」
江戸時代版、かっこいい女性の物語。
聡明で凛とした女性の姿が読んでいて気持ちがいい。

「夏草戦記」
戦の緊張感、そしてその合間にある静けさを感じる。
そして最後は戦場での厳しさと哀しさを感じる作品。
ひとつひとつの名もなき戦に、こういう哀しいドラマがあったんだろうな。

「さるすべり」
先日行った会津が舞台ということもあり、最初からとても興味深かった。
幾多の歴史の中に、こういった戦が何度となくあり、そういう厳しい時代に
自分が生きていたらこんな風には生きられまい。
侍の潔さは美しく、そして哀しい。

「薯粥」
自分の能力を過信することなく、またひけらかすこともなく謙虚に生きる美し
さを感じる作品。
日々努力を怠らず、一生懸命生きることが大事。
そして、決して驕ることなく、慎ましく生きていくこと。
自分の努力、またはそれによって得た成果は、自分でひけらかさずとも、それ
が本物であれば、自ずとわかることなのだね。

「石ころ」
自分が褒められること、評価されることが大事なのではない。
自分が属する組織で、その組織全体が向上していくにはどうしたらいいのかを
考え行動するべきだということに気づかされた。
またその頑張りは、例え自分で主張せずとも、必ず誰かが見ているものなのだね。

「柘榴」
若さゆえに、わからなかった愛。年をとったからこそわかるようになった愛。
哀しく美しい夫婦の愛の物語。
「良人(おっと)となり妻となれば、他人には欠点とみえるものも、うけ容れることができる。
誰にも似ず、誰にもわからない二人だけの理解から、夫婦の愛というものが始まるのだ。」
という、主人公の言葉が印象的。

「青嵐」
夫婦に嵐は必ず訪れるもの。
その嵐を乗り越えていけた夫婦の絆は深いものになる。
大事なのは、愛と信頼と許すこと。
主人公のお母さんが「人間はみなそれぞれ欠けた弱いところを持っているものです。
夫婦というものはその欠けた弱いところを、お互いに援けあい補いあってゆくものです。」と、諭した言葉が印象的。


s-0514.png 五瓣の椿


これは長編もののミステリー。
美しく、なまめかしい女性が鮮やかに復讐していく話で、江戸版シドニー・シェルダンの
ようで、読みやすい。
舞台は日本橋や京橋界隈。
今はマンションが立ち並ぶ大川端も、舟場町として登場する。
そうかあ。その昔、この界隈は、舟場町だったんだね。って昔の街並みを想像する。
山本周五郎は、ちょっと真面目そうで、とっつきにくいと思っていた方は、この本は
読みやすくなかなかお勧めです。

s-0514.png 寝ぼけ署長

s-0514.png 栄花物語



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