中古住宅をリフォームして快適子育て

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一ノ瀬泰造氏の墓前で祈る




カンボジア。
アンコールワットに行って、写真を撮りたい。
泰造氏と同じ事を思い、私もカンボジアの地に降り立った。

現地ガイドさんに頼んで、特別に車で一ノ瀬泰造氏のお墓に連れて行ってもらう。
ツアーの仲間はこの暑さ(多分40度を越えていた)の為、お昼はホテルでお休みしている。
その合間をぬってのお墓参り。

お墓まで行く途中の砂ぼこりの立つ道で、自転車に乗った少年とすれ違った。
その時、私達は目を合わせ、笑顔で手を出し合い、すれ違う瞬間、「パチン!」と手を鳴り合わせた。

共通の言葉を持たなくても、目と目、心と心が通じた気がした。

カンボジアの人達は、彼のことをとても良く知っていて、お墓を守る小屋と人、子供、牛(これはノラ牛)もいるくらい。

小屋には写真、日本人観光客の寄せ書きがあった。
「地雷を踏んだらサヨウナラ」の本を読んできた私にも初めて見る写真が何点かあった。
その中で衝撃的だったのは、彼の頭蓋骨を洗う御両親の姿だった。
こんなことってあるのだろうか?
ただ彼は真実を伝える為に写真を撮りに行った勇気ある1人の青年だったはずなのに。

私が彼の墓前に平和を祈った日は2003年3月20日。
そう。奇しくもイラク戦争が始まった日だった。

私は寄せ書きにこう綴った。
~泰造さんの「地雷を踏んだらサヨウナラ」の映画を見、本を読み、彼の撮りたかったアンコールワットを是非見てみたい!と思い、この地を訪れました。奇しくも今日、アメリカがイラクに対して武力行使を試みてしまいました。平和を祈る私達にとって、とても悲しいことです。泰造さんが残してくれた「平和」と「写真」を思いながら手を合わせました。ここに来れて本当に良かった。このお墓を守るカンボジアの方々の深い愛に感謝を込めて~


平和を祈る気持は世界共通だと思う。
でも、争いになってしまうのはなぜだろう?
どちらも「自分が正しい。自分こそが正義だ」と思ってしまうからだろう。

世界は広く、様々な言葉、宗教、思想、文化がある。
それはとても良い。
地球を豊かな物にしている。

だがしかし、全てを理解する事は不可能だ。
ひとりひとり違って、ひとりひとり思う事も違うからだ。

それでも、私達は地球というひとつの星で暮らす仲間だ。
地球がなくなってしまえば、私達もなくなってしまう。

そんなことを思いながら、彼の墓前で平和を祈った。



*一ノ瀬泰造氏のお墓まで行くには下記のHPを参照にしました。
 情報を下さった写真家の横木安良夫氏に感謝致します。

一ノ瀬泰造氏(横木さんの大学の先輩だったとのこと)のサイト、横木さんの小説「熱を食む、裸の果実」のサイトや、写真集、写真展の情報も紹介されています。

http://www.alao.co.jp/home.html
http://www.alao.co.jp/taizoichinose.html


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