マリィのつぶやき

2005年08月17日
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カテゴリ: 日記
破戒には選挙の話が出てくる。
(高校では早弁ばかりしていてろくに歴史を勉強してこなかったからか、とにかく歴史はさっぱりです。)





ikasumi








とにかく選挙がある。
つまり立候補者がいるということになる。

一人は丑松の故郷のほうから部落民の娘を嫁にもらうという設定だ。
そしてその対立候補は弁護士で、その応援に猪子連太郎という人物が出てくるのだ。
もちろんこの猪子連太郎も部落民で、藤村はまぁ何から何まで部落民を登場させている。


この嫁となった娘が丑松を知っていて、部落出身の娘を嫁にもらったことを言わないでくれと丑松に口止めに行くのだが、父親の戒めを破ることが出来ないので丑松は知らぬことと言ってその候補者を帰してしまう。
その態度が反感を買ってしまい、丑松が部落出身だといううわさをこの候補者が流すことになるのだ。


一方対立候補の応援演説について回った猪子連太郎は、自分が「エタ」だということを既にカミングアウトしていて、その思想的な著書を何冊も発行し、丑松は彼のその著書を信奉するがごとくに読んでいたのだ。
そして影響を受け、自分が自身の出自について告白しないことを「世間や自分をだましている」というような気持ちで悩んでいるのだ。

そんなおりこの候補の一行が雪の飯山に選挙演説に来る。
丑松は少なくとも猪子にだけは自分の秘密を打ち明けたいともんもんと悩むのだ。


さてこの猪子という男がどうなり、なぜ丑松は父のあれほどの戒めを破り告白してしまうようになるのか、、、
それは本を読んで確かめてもらうとして、この部落民を嫁にもらった候補者がこういう場面がある。


「議員をやるしか自分には食っていく道がない」


なぜ部落民の娘を隠してまで嫁にもらったか。
金だ。
部落民の中には「お大臣」もいたのだ。
選挙の金ほしさに、ただそれだけのためにこの男は隠れて部落民の娘を嫁にもらうのだ・・・



町のいたるところに選挙演説の開かれることを知らせるポスターが貼られている。
そして人々は雪の中その演説を聴きに行く。




このあたりの話を読むと、本当に100年前のことという気がしない。
今の飯山の話、、といってもさほどには違いないような感じがした、といえば怒られちゃうだろうか?




この選挙の結末は読めば分かるのだが、
100年後の選挙はいったいどう読めばいいのだろう・・・




蛇足
母の話で、私の兄が子供の頃、市会議員かなんかの選挙で「アダチコウジ」という名の人が立ったことがある。
選挙カーが「あだちこうじ!あだちこうじ!」と連呼するのを聞いた兄は
「あかこうじあかこうじ」ってせうな!ばがやろ!、、、と怒ったそうだ。
兄の名前もコウジだったのだ。
私が生まれる前の話だ。
この頃にはもう選挙カーがあったんですね~(昭和20年代)
(せうな、とは言うなという意味)








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最終更新日  2005年08月19日 00時26分13秒
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